2019年04月27日
自分らしさと安心感

「自分らしさ・・・」ということは、非常に大切なことであるにも関わらず、「自分らしさ」そのものについては、なかなか向き合うゆとりもなく、「よく考えたことがない・・・」というのが現実には多いのかもしれません。
その一方で、「生きづらさ・・・」とか「違和感」というキーワードを目にすることが、近年急速に多くなってきているような気がするのは、単なる「気のせい」だけでは無いような気もします。
生きづらさ、違和感・・・、という言葉から読み取れるのは、「本来、思っていたことと違う・・・」とか、「ないがしろにんされている・・・」という感情といつも向き合っていなければならない状況に追い込まれてしまうからなのだと思います。
多くの人は、子どものころから、「人に迷惑をかけないように・・・」「自分でできるようになりなさい・・・」という言葉のシャワーを沢山浴び続けてきたと思います。
その、言葉の裏側にあるのは、社会に出たときの自律を想定し、言ってみれば、周りの多くの人から「良かれと思って・・・」という前提のもとその言葉を受け続けたし、「自分のことを思ってくれている・・・」という、感謝のような感情をもって受け入れてきてからこそ、その期待に応えようと多くの人たちが考えてきたことも事実だと思います。
「良い学校にいって、良い会社に入る・・・」という価値観についても、あながち間違っていないという同調性によって、思考停止になったり、改めて考えるという発想すらなかったというケースもあるのかもしれません。
この思考停止や考えることもやめるという、根底になるのが「安心感」なのかもしれないと思うことがあります。
先ほども言いましたように、「人に迷惑をかけない」「自分でできるように」という価値観を優先する習慣がついていると、「周りと合わせる」ということで安心感を得ようとしてしまうのかもしれません。
心理学の世界では、人は、「疑う事」と「安心」とでは、「疑う事」ということをあえて避け、「安心」を選択してしまう傾向が強いということが分かっているそうです。
詐欺に騙されてしまうような心理状況は、「疑問」を持つことに対する羞恥心みたいなものをうまく利用している結果とも言われています。
こうして、一見同じ方向を向いていると思われがちな、「安心感」と云うキーワードに囚われて、自分の想いを押し殺し、「自分らしさ」を損なっているとも言えるのです。
だからこそ、「安心感」そのものを見直し、立ち止まることや頼ることの大切さを見直す必要があるのです。
そのための第一歩として、子どものころから言われ続けてきた「「迷惑」という言葉に関する価値観を変えてく必要があるのかもしれません。「助けてもらう」と「迷惑」の意味を混同したり、「これは迷惑では無い」と思えることで、自律心や頼るチカラが育まれるきっかけになると思うのです。
自分自身のことで考えていただければ理解できると思いますが、人は「頼られる」ということ対して、思っている以上に嬉しく感じるものだと思います。にも関わらず、「頼っては欲しいけど、頼りたくない・・・」という人は意外に多いのではないのでしょうか。
「自分らしさ」というのは、他者と同調することで安心感を得ることよりも、自分らしく生きるってことは、こんな事なんだろうかな・・・と考えることができる習慣を大切に「自分で何とかする・・・」「人に迷惑をかけてはいけない・・・」という価値観を見直すことができるということかもしれません。
Posted by toyohiko at 13:56│Comments(0)
│社会を考える