2021年10月15日
睡眠不足と見た目の変化

睡眠不足による様々な悪影響については、今までも様々な影響を紹介させていただきましたが、今回は「見た目に影響する変化・・・」について考えていきたいと思っています。
見た目の変化について、誰もが思い浮かぶのが「目の下のクマ・・・」ではないでしょうか。
このクマと呼ばれるものは体液が滞っているために、目の下辺りにたまってしまうことによって周りの皮膚に対して黒ずんで見える現象なのだそうです。
また、疲労がたまっている人は肌の弾力が衰えてしまうために、「クマ」と呼ばれる黒い輪が目立ちやすいとされています。
睡眠不足による肌の状態についても、当然のことながら様々な影響が出てしまいます。
起きている時には、皮膚は排気ガスなどの化学的に悪影響のあるモノから、自然の中にあるモノも含めた環境中のあらゆる毒素や、細菌やウィルスなどからも私たちの身体を守ってくれています。この緊張した状態から解放され再生を果たすのが睡眠です。
肌のハリや艶・・・と言われるものや、メイクなどの化粧品などではカバーしきれないようなダメージにつながる大きな要因の一つになるのが睡眠不足になります。
また、睡眠不足は想っている以上に「見た目・・・」に出てきますし、「元気がない・・・」とか「覇気がない・・・」というようなイメージにつながり易いために、ビジネスなどの対人関係についても悪い影響につながることも承知しておく必要があります。
一方、代謝への影響も思っている以上に多いようで、以前にも紹介させていただきましたが、成人の場合に7時間未満の睡眠の場合の肥満のリスクが1.5倍になるという事だけでなく、ティーンエージャーについては睡眠時間が8時間未満になると、肥満のリスクが2倍に上がるというような報告もあります。
この報告によりますと、ティーンエージャーの脳は、思春期と呼ばれる25歳頃まで成長を続けるために、沢山の睡眠を必要とするようで、睡眠不足の影響が成人と比較して食に関する判断などに顕著に出やすいというのです。
具体的に言いますと、衝動的な行動に関わる偏桃体を抑える前頭葉は睡眠不足によってダメージを受けるとされていますが、まだ発達しきれていないティーンエージャーの脳は、成人よりも回復力が弱いため、睡眠が足りないというような場面で脂肪や糖質の多い食品を食べないように抑えることが難しいというのです。
一説によりますと、高カロリーの食品を好むというような衝動的なものは脳の働きかけによってなされていますが、摂取したカロリーをエネルギーに変換するための代謝系のメカニズムについては腸内細菌が様々な形で関わっているとされています。
しかも、「腸内細菌にも夜間の休息が必要・・・」であり、睡眠不足によるエネルギー代謝量の減少には、腸内細菌叢が大きく関わっているのでは・・・・?というような説も出てきつつあるようです。
いずれにしても、睡眠不足は体重の増加による体型の変化や肌のハリや艶などの見た目に大きな影響を与えることだけは確かなようです。
ストックホルムのカロリンスカ研究所で行われた実験では、7~8時間の十分な睡眠をとったグループと数時間の睡眠しかとらなかったグループ、さらに完全に徹夜したグループの3つのグループに分け結果を写真撮影し、それぞれの人物がどの程度、健康的で、活動的で、信頼出来るかを0~100までの得点を付けるという方法で行ったところ、十分に睡眠をとらなかった被験者を総じて、「魅力に欠け、健康的ではなく、信頼できない・・・」と判断したというのです。
これらの事からしても、「たかが睡眠不足・・・自分の問題なのだから、とやかく言われる所以はない・・・」という事だけではなく、見た目として周りに悪い印象を与え、信頼や信用にも関係しているという認識も必要なのかもしれません。
Posted by toyohiko at 16:39│Comments(0)
│身体のしくみ