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2022年11月10日

「頼るチカラ」をあらためて考える

「頼るチカラ」をあらためて考える


 「働き方改革」という言葉がよく聞かれるようになり、「休みがとれる・・・」とか、「早く帰ることが出来る・・・」というキーワードが注目されるようになってきました。

 その一方で、仕組みそのものではなく、「私がいないと・・・」とか、「休むと、周りに迷惑がかかる・・・」という感情がどうしても先にたってしまい、「頭では解っているのだけれど・・・」なかなか実行には至らないケースは、少なくないのではないでしょうか。

 このような状況は、「自分で何とかしなければ・・・」という自己責任論的な思考や、自分の力で完結出来ないことに対して、「完璧さを欠く、不完全」というような意味会いに陥ってしまう人が多いからなのかもしれません。

 実際に、自身のプライベートに合わせて休みをとったり、早く帰るために、自身の都合だけで何とかなる、という立場の人は少ないはずです。

 そのためには、周りの人たちへの理解や協力が欠かせないものになってきます。この「周りの人に対して、理解や協力をしてもらう・・・」という行為そのものが、大きなハードルになっている人が多いという、現実の課題を解決していく必要があります。

 まず第一には、精神的なハードルです。このハードルの高さについては、個々によって異なるとは思います。
しかし、現実には多くの場面で、無関心且つ傍観的な関係性の中で結果的に発生してしまっている「頼りっぱなし・・・」を、多くの場面でやってしまっていることを省みた場合に、特定の事象だけに対して、過度に考えすぎているという捉え方もできます。

 最近では、「仕事だから・・・」という理由からくる、プライベートライフでの責任放棄は「会社への引きこもり」とか「社内ニート」という言葉で、揶揄されるような傾向も出てきつつあります。
仕事とかプライベートというような場面の切り分けではなく、お互いの理解や協力はあらゆる場面で必要な事のはずです。

 「任せられないこと、頼ることが出来ないことは相手に対する無意識の偏見の表れであるとともに、敬意の無さ」と考え方を転換することが出来れば、もっと「頼る」という言葉をポジティブに捉えることが出来るし、頼ることそのものを「スキル」の一つと考えることも出来るようになるのではないでしょうか。

 そして、実際に他人を頼りにし、自身がやって欲しいことをやってもらうには、して欲しいことを、具体的に伝える必要があります。
 よく、「自分でやった方が早い・・・」というパターンに陥ってしまうことがあると思いますが、確かに他の人にやってもらうことは大変です。言い換えれば、頼ったり、任せるためには、そのためのスキルが必要だという事です。

 先ほどの、パターンのように「自分でやった方が早い・・・」から、ついつい自分でやってしまう。だから、自分しか知らない業務が増えて大変な想いをしているという場合は、業務の目的や、その目的を解決するための方法としての理解が浅いために、実際に他人に伝えようとした時に、上手く伝わらないというような経験をしたことはないでしょうか。

 自分だけでやり続ける仕事の方が、案外問題点を放置し続けてしまったり、「解らないことが、分からない・・・」けど、このパターンで言われたとおりにやってきたので何のために、何をやっているのかはよく解っていない・・・ということもよくある話です。

 頼ったり、任せることが、その業務そのものの精度向上につなげるための手法であり、スキルそのものであるという考え方もできます。

 最後に、頼むにしても「全部・・・という訳ではない。」というのが現実です。先ほどのスキルにも通じることにもなるのかもしれませんが、「やって欲しいこと」と「任せて欲しいこと」の境界線を明確にすることが大切です。
 意思の疎通がうまくいかないことで、やり過ぎてしまい越権行為と思われてしまったり、やってくれると思い込んでしまい、業務そのものに穴をあけてしまったりという事は良くあることです。仕事という事だけで割り切れればいいのですが、大抵の場合が、お互いの関係性にまで影響を及ぼしてしまうことにもつながりかねません。

 そのためには、「困りごと・・・」に対して、「任せて欲しいこと」をアイ(I)メッセージで伝えることが出来る自己開示性と「やって欲しいこと」を言ってもらえる心理的安全性の両方が備わっていることが必要になってきます。

 この、「やって欲しいこと」と「任せて欲しいこと」の境界線をお互いの中でしっかり確認しながら進めていく事は、思っている以上に重要です。そして、境界線を明確にしていく事で、ネガティブリストでのコミュニケーションが可能になり、相手に対する感謝や敬意だけでなく課題解決のスピードアップにもつながります。

 「他人に頼ることが出来ない・・・」という理由を色々と考えたときに、「自分の考え方を理解してもらう」、「うまくいっていないところをさらけ出す」・・・など、少々ハードルが高いと感じることも事実です。

「頼るチカラ」は、ダメな事ではなく、「自分自身が変わるという意思」と考えて実践してみてはいかがでしょうか。





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Posted by toyohiko at 15:58│Comments(0)社会を考える
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