2020年01月17日
失敗しないための生活習慣を考える

先日、厚生労働省によって2018年の調査に基づき、「栄養バランスのとれた食事をほとんどしていない人の割合は、年間世帯所得が200万円未満の人の場合、男性で21%、女性で13%に上ることが分かった」というような内容の発表がなされました。
この結果は、年間世帯所得600万円以上の男性8・9%、女性7・7%と比較しても大きな差がみられたという事の違いに併せて、 主食・主菜・副菜を組み合わせて食べることがバランスの良い食事であることを知っている人の割合は、200万円未満の男性の場合81・8%。600万円以上の人に比べ6・4ポイント低く、食に関する知識でも差が出たというようなコメントも残しています。
このような傾向は、日本国内にとどまらず世界中でも同様で、さらに、所得と肥満との関係が逆相関の関係にあるというような報告もあり大きな課題と考えられています。
これらの結果の大きな原因の一つが、総摂取カロリーの中で脂質と糖質を中心とした食事のほうが、安価で手軽に手に入りやすいという社会背景が後押ししていることは言うまでもありません。
しかしながら、この調査で注目したいのは、「食に関する知識でも差が出た・・・」ということなのではないかと思っています。
多くの人が、偏った食生活によって健康を損なうということはイメージできると思うのですが、食生活を大切にする事と健康の維持向上ということがつながっていないという人が一定数いるという現実をどのように考えるかということかと思います。
「健康」というものは、誰もが望むもの・・・だと思います。
だからこそ、知識の不足によって健康が損なわれてしまった・・・ということは、ある意味、「意図しない失敗」につながることになってしまいます。
「健康」と同時に、「失敗」も誰もがしたくないもの・・・
その一方で、出来ることであれば現状のままでいたい・・・という心理もあります。
だからこそ、失敗しないための知識と総合的な判断力が必要になるのです。
健康に関する、食の情報は毎日のように飛び交っています。その中で、自分にとって本当に必要な情報を抽出して実践につなげるということは至難の業です。
例えば、一つの食品がブームとなり健康に良いということになりますと、その食品ばかり食べてしまい体調を崩す人がいます。このような現象を、昔放映されていた「あるある大事典」というテレビ番組になぞらえて“あるある被害者”というような呼び方で揶揄されたこともあったという話もあります。
このようなことについても、もう少し冷静かつ、総合的に判断をすれば、「特定の食品のみを過剰に摂取し続ける・・・という暴挙」に及んでいたという事に気付くことができたはずなのです。
なのにもかかわらず、このような簡単なトリックのようなものに陥ってしまうかと考えると、「出来るだけ、労せずに結果を出したい・・・」という気持ちに、判断力が負けてしまうからなのかもしれません。
確かに、人間の身体は多くの人が思っている以上に複雑な働きをしているということがありますので、断片の情報では、何をどうすれば良いのかわからないというような事が多いのも事実です。
だからこそ、その仕組みをしっかりと理解していないと自身の願う健康に対する成果も得られないということも多々あります。
近年、急速に広がりつつあるプロバイオティクス(ヒトにとって良い働きをする微生物)を利用することで健康効果を期待するというような事についても、ほとんどのプロバイオティクスは人間の腸内に定着しないために、本来得られる健康効果は、毎日摂取しないと得られないということを理解する必要があるのです。
逆に言えば、「おいしいからたまに飲む・・・」という、利用の仕方であればその食品の効果はどんなに良い効果がエビデンス(科学的根拠)として証明されていても、残念ながらその効果を享受できないということになってしまうのです。
食を中心とした生活習慣が健康に大きな影響を与えるということは、生活習慣病という言葉に集約されるように、いまさら言うまでもありません。
だからこそ、必要に応じた知識と総合的な判断に基づいた習慣でないと、「健康を損なうための習慣・・・」になりかねないということも考える必要がありそうですね。
Posted by toyohiko at 16:04│Comments(0)
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