2014年05月30日
腸内環境と胃の関係

「胃のもたれ」に悩まされている方は多いと思います。以前にも言いましたが胃の内容物がなかなか、次のステップである腸にいかず胃の「空腹時の運動」の状態になりにくいことが原因の一つと考えられています。
これらのように、いわゆる消化の悪い食べ物の体表選手として知られているのが、「脂肪」です。「なんだが、胸やけがするけど・・・、さっき食べた脂のせいかも・・・?」などというような会話もよく耳にするのではと思います。
この胃もたれの原因は脂肪のほか、玉ねぎ、コーヒー、炭酸飲料、マヨネーズ、チョコレートなど・・・過敏な反応がみられる食品があるようなのですが、最近では、腸の中で作られる水素が胃の不調の原因になっているのでは・・・ということに対して議論がなされているようです。
通常、胃の不調というのは胃が過剰に膨らんだ状態で起きることが分かっているようです、そのために、食べる時に空気を吸い込みやすい食べ方をしたり、消化器官内で発生した気体が胃に逆流したりすることによってこのような症状が出る可能性があるそうなのです。
また、嫌気性の腸内細菌が糖質を代謝した時に水素が発生することはわかっています。さらに、この水素が消化器官の蠕動運動に大きく関与しており、水素の発生が多いほど蠕動運動が活発であるといわれています。
この嫌気性の腸内細菌ですが、嫌気性という酸素を嫌う性格からして小腸よりも大腸にたくさん住んでいます。しかも、大腸というのは小腸で消化されたものが来るので、通常の糖質というのはすでに消化吸収されており、大腸まであまり届かない・・・というのが普通です。
しかしながら、糖質いっても全て同じなのではなくオリゴ糖のような難消化性の糖質もありますので、それらの糖質が大腸まで届くことで、大腸内の腸内細菌が糖質を摂取することができるというわけです。この難消化性の糖質はいって見れば、大腸に住む腸内細菌のエサになるわけで、言ってみれば、「よい菌が増える」ための重要な要素の一つなのです。
また、腸内細菌の代謝物の一つである水素に関しては、体内の活性酸素の対する抗酸化作用や抗炎症作用、IgE抗体の抑制などの抗アレルギー作用など様々な可能性に対する期待も高まってきています。
実際に、正常な人の場合には食後に大量の水素ガスが発生し呼気からも確認されていたり、さらには、乳児に母乳を与えた直後に呼気中の水素ガス濃度が急上昇することがあるそうで、身体が腸内細菌から代謝される水素を「生理的水素」としてその恩恵にあずかっているという可能性が極めて高いということが考えられており、今後の研究に対する期待も高いものがあると思います。
これらのことからしても、胃と腸内細菌の関係は、いろいろな要素が複雑に絡み合っているために未知の部分も多いと思います。胃の不調の水素説に関しても、功罪含めて色々な議論があると思いますが、胃が膨らんだ状態を少なめにして、空腹時の胃の運動の時間を増やすことは大切なのでは・・・と思います。
まさに、「腹八分目に医者いらず・・・」なのでしょうかね・・・
Posted by toyohiko at 11:42
│身体のしくみ