2014年04月12日
食事と骨と血糖値

「甘い炭酸飲料を飲み過ぎると骨が溶ける・・・」というような話を聞いたことがある方も多いと思います。これについての真偽のほどについての議論はありますが、体内の糖質と骨の関係はいろいろとあります。
まず、骨という観点から考えると骨=カルシウムという概念を持っている方も多いと思いますが、カルシウムとタンパク質の両方が必要です。言ってみれば、鉄筋コンクリートの建物で言えばカルシウムが鉄筋でコンクリートがタンパク質のようなものだそうです。
つまり、血糖値が高いとその糖と体内のタンパク質が結合してしまい、タンパク質がボロボロになってしまうために両方がバランスよく摂取できてこそ良い骨ができるということになります。
また、体内の糖の代謝の過程で、カルシウムが使われるということはよく知られている話です。そう言った意味で、「糖質の摂り過ぎで骨が溶ける・・・」という話になったのではと言われています。
また、最近の研究で骨の老化に関わる「ペントシジン」という物質の存在が明らかになってきました。このペントシジンが生成するのは血糖値が高いときで、この物質が骨を痛め骨の質を悪くしてしまうというのです。
だからといって、「糖質ゼロの飲料なら大丈夫・・・」ということにはなりません、お茶などの飲料ならともかくとして、化学合成の人工甘味料を使用している場合については、ほかの意味での身体への影響がありますので、それも気をつける必要があります。
血糖値という意味では、インスリンの分泌によってコントロールしているのですが、アミノ酸由来の人工甘味料でも、甘味を感ずることでインスリンの分泌を促す可能性があり、カロリーが少ないからといって多飲すると、血糖値のコントロールに副具合が生じる可能性を指摘する人たちもいます。
最近では、炭水化物をなるべく摂取しないとか、食べる順番を気をつけることによって血糖値を急激に上げないための食事ということが注目されています。
また、近年では葉酸がペントシジンの数値を下げる効果があるなど、世の中でいろいろな方法が提案されています。腸内細菌も含めて、人間の身体というものは一人ひとり全部違うため、自分の身体の状態をよく確かめながら、極端な方法を避け、自分にとって良い方法を探していくことが必要なのかもしれません。
Posted by toyohiko at 21:04
│身体のしくみ