2014年03月28日
ビタミンCと胃の健康

ビタミンCといえば、健康イメージの強い栄養素として多くの人が知っているものです。特に野菜や果物を食べる時などは、「ビタミンCを摂らなければ・・・」という言葉をよく聞きます。
この「摂らなければ・・・」の理由の一つとして、人間は体内でビタミンCを作ることができないということがあります。同じビタミンでもB群のビタミンなどは体内で作ることができるために事情が異なります。
ビタミンCの作用の一つとして、よく知られているのが抗酸化作用です。つまり、参加されてしまった状態をもとに戻すことです。ビタミンCは、腸で吸収され、胃液の中に分泌され、消化器系の炎症やがん化することを防ぐ役割をしています。
しかしながら、胃の中の炎症があり、胃炎の状態になっているとあまり胃の中に分泌されないらしいのです。
ビタミンCは体内で様々な働きがあることが知られていますが、その効果が条件によってはマイナスに作用することもあります。
例えば、運動した直後などは身体に一定のストレスがかかり活性酸素が作られます。活性酸素が作られることは良くないことなのですが、良くないことばかりではありません。適度に活性酸素が作られることによって、この活性酸素を排除しようとすることによって免疫力が高まります。
この効果は、ホルミンシス効果と言われるそうですが、運動者直後にビタミンCなどの抗酸化作用のある物質を摂取すると免疫力向上という意味では運動をした意味が薄れてしまうことがわかってきました。
また、通常運動をすると血液中の糖質が使われて血糖値が下がるのですが、運動時にビタミンCやEを摂ると運動による血糖改善効果もなくなってしまうそうなのです。
これらのことからすると、ビタミンCという栄養素は摂取するタイミングで身体への影響が違うということです。
また、胃の状態が良くないと抗酸化物質としての効果も発揮されないということになります。胃炎と一概に言いましても自覚症状がない方も数多くいるそうです。自覚症状がない状態で炎症がじわじわと長引くと次第に粘膜が色褪せ本来ピンク色の胃の粘膜が、白っぽくなってしまいます。
その状態を「萎縮性胃炎」というそうですが、胃の粘膜が腸の粘膜に変化してしまう腸上皮化生という状態になってしまいます。
その状態になってしまうとビタミンCの効果が薄れるだけでなく、ドロドロの血液の傾向が強く、悪玉コレステロールが高く、善玉コレステロールが低くなる傾向がある事も報告されているそうです。
日本人の場合、胃炎とヘリコバクター・ピロリという菌との関係が多いのではと言われていますので、そこのところも、よく考えながら「胃の健康」にも気を使うことも必要かもしれません。
Posted by toyohiko at 17:12
│身体のしくみ