2013年12月06日
笑いと健康

「笑う」ということが、健康にとっていろいろな効果があるということに関しては様々な研究が行われています。その中でも、笑いが身体の免疫機能を活性化し病気などに対する抵抗力が高まるということについては多くの人に知られるようになって来ました。
しかし、人間にとって免疫力というのは、高ければ良いというものではありません。例えば、アレルギー症状による炎症というのは、免疫システムが働いているからこそ出てきますので、言い換えれば免疫が働いている証拠とも言えます。つまり、免疫力が高すぎても身体にとって不都合ということになります。
当然、低すぎれば外からの細菌やウイルスから身を守る力が落ちてしまうので、病気になりやすくなってしまいます。そういうことからすると免疫力というのは、高すぎても低すぎても良くないので、調整する機能が大切だといいうことになります。
最近の研究では、免疫システムが過剰に働いている人が笑うと免疫反応が下がるという結果もあるそうで、笑ったあとの血液などを調べると副交感神経にはたらきかける効果があり「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンの量が増加するだけでなく、「やる気のホルモン」と呼ばれる、アドレナリンやノルアドレナリンも増えるそうなのです。
つまり、笑うことでやる気がアップし、なおかつリラックスにも繋がるというのです。1960年代にノーマンカインズというアメリカのジャーナリストが膠原病の一種の強直性脊椎炎という病気にかかった時に、医師からは治らないと告げられたものの、病室にコメディ映画のフィルムやユーモア小説を大量に持ち込み毎日大笑いすることで、難病を克服し仕事に復帰したという話もあるそうです。
こうして考えてみると、笑いというのは必要に応じて免疫力を上げたり下げたりする高度なコントロール機能で、複雑な人間の身体を守ってくれているのです。
ところで、「笑い」といってもいろいろありますが、本当の心の底からの笑いでないとダメ・・・ということでも無いようで、いわゆる「つくり笑い」でも効果があるということがあるそうで、カンザス大学のタラ・クラフト教授らが約170人の学生を対象に行った研究によると、箸を口にくわえて笑顔の形にキープするだけでも心拍数が安定し、ストレスが緩和されるということが明らかにされています。
この笑いに大きく関係するのが、セロトニンという脳内神経伝達物質なのですが、セロトニンの多くは小腸で作られ、90%くらいが腸に存在しており、脳に存在するセロトニンは、1~2%程しかないそうなのです。
しかも、身体中の免疫細胞の約60%が腸に集中しているということを考えると、免疫の状態をうまく調整していくには、「笑い」と「いい食事」で腸内環境を整えることでさらなる効果が期待できるかもしれませんね・・・
「つくり笑い」でも良いそうです・・・健康のために早速始めてみませんか・・・
Posted by toyohiko at 11:11
│身体のしくみ