2013年10月26日
ストレスとアレルギー

「ストレス」と「アレルギー」・・・この現代社会を象徴するような二つのキーワードに実は密接な関係があるとしたらどうでしょう・・・?
「密接な・・・」でないにしても、このふたつのどちらかがもう一方の症状に悪影響を及ぼしているとすれば、両者の関係をよく知っておく必要があると思います。
アレルギーというものは、ご存知のとおり免疫反応の一つです。特定の免疫が反応し、自身の身体を攻撃することにより身体に炎症反応が出てきている状態というように一般的には考えられています。
この免疫系は、脳を構成する中枢神経のネットワークと綿密な関係を持っています。そのために、身体に炎症が起こっているときには、炎症を起こしている細胞から中枢神経である脳に「炎症が起きています。」という情報を送るためのものを分泌します。
これは、炎症が起きている時には他の活動を出来るだけ抑えて、炎症を起こした細胞を治癒するためのエネルギーを確保するために、いわゆる「テンションが下がった・・・」状態になるように脳が判断するためだそうです。
さらに、中枢神経から副腎に指令を出して炎症が癒えやすい状態にするホルモンである、コルチゾール(副腎皮質ホルモンの一種)を分泌させます。このコルチゾールは抗ストレスホルモンとも呼ばれ、血糖を上げ、炎症反応を鎮め、血圧を保つことにより、ストレスに対抗しやすい状態にする作用があるそうです。
この副腎皮質ホルモンは副腎の外側で分泌されますが、内側の髄質というところでは、抗ストレスホルモンとは、逆の戦闘ホルモンの役割をする副腎髄質ホルモンが分泌されます。
この副腎髄質ホルモンは、自律神経を担うホルモンの一つであり「やるぞ・・・」と気合の入った時にでるホルモンで、戦闘ホルモン分泌のあとは、「お疲れ様・・・」と、抗ストレスホルモンが分泌されます。
現代社会のようなストレス過多と呼ばれる状況の中では、昼夜構わず、それぞれのホルモンを乱発しているというのです。さらに睡眠不足というのはこの状態を促進してしまうのです。
でも、「抗ストレスホルモンが出てくれば・・・」と思うかもしれませんが、残念ながら抗ストレスホルモンは、枯渇しやすいホルモンとしても知られているのです。
つまり、誰も「お疲れ様・・・」といってくれる人がいない状態になってしまう危険性が高いということです。この状態を「副腎疲労」と言われています。
この抗ストレスホルモンの分泌は朝にピークがあります。つまり、血糖と血圧を上げてくれるために、朝スッキリ起きられる・・・というわけです。逆に朝起きられないという人は、副腎疲労の状態である可能性もある。・・・ということにもなります。
このほかの副腎疲労の兆候としては、アレルギー症状が増した人、塩辛いものが大好きになった人があるそうです。
これらのことからすると、アレルギー反応があってもストレスなどが多く、副腎疲労状態になり抗ストレスホルモンが出にくい状態になっていると症状がなかなか治まらないということになりそうです。
そのためにも、ストレスの原因の除去、十分な睡眠、糖質や炭水化物の過剰摂取などを避けて腸内環境を整える・・・など、自律神経を整えるための生活を心がけることが大切ですね。
Posted by toyohiko at 10:54
│身体のしくみ