2013年05月25日
腸は第二の脳なのか・・・?

「腸は第二の脳」という言い方が、あちらこちらで言われていますが、最近では、「腸の思考力は脳より上」だから第二の脳では無いのでは・・・
という考え方をしている方もいます。
東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生もその一人で、藤田名誉教授によると人間の腸には大脳に匹敵するほどの神経細胞があるそうで、・・・
特に口から入ってくるものに対しての安全性について、脳では判断を出来ないのですが、腸には出来る。
ということも含め、腸と脳とは大きな関わりがあるとともに役割の違いもあるということです。
例えば、食中毒菌が混入した食べ物の場合でも、脳は「食べる」という欲求を優先し、安全かどうかという判断はできませんが、腸に入った食べ物は腸が独自に判断し、嘔吐や下痢などの症状を起こすことによって、少しでも早く身体を中毒から守ろうとします。
また、心を病む多くの人たちが偏った食べ物ばかり食べるようになるのは、「脳がそのような食事を摂るように命令しているからだ」とも言われています。
ファストフード等にはまる人もそうです。
これらの食品には、「脳の報酬系」と呼ばれる、脳が喜ぶ物質が多く含まれているために脳も悪いと知っていながら、無理やり「食べなさい」と命令をしているというようなこのもあるようです。
そんな中一般的には、「腸は消化器官の一つ」という考え方になっていると思いますが、実際は、人間の感情や気持ちをもたらすセロトニンやドーパミン等の物質も腸で食べ物からつくられています。
腸は、感染症のもとになる病原菌を排除し、私たちが生きていくために必要なビタミン類を腸内細菌とともに合成し、免疫力をつくり、セロトニンやドーパミン等の脳内伝達物質を脳に運ぶ・・・
このように、生きていくために重要な役割を担っているだけでなく、暴走しがちな脳に対して、多くの情報を発信し続けているのです。
そんなことを考えると、感情を示すハートのマークは心臓を示す、胸の辺りではなくお腹を示した方が、実は良いのかもしれませんね・・・
Posted by toyohiko at 11:54│Comments(0)
│身体のしくみ
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