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2013年04月20日

勘違いする脳と勘違いしない腸

勘違いする脳と勘違いしない腸

 私たちは、普段あまり意識しないままに直感的に意思決定していることはないでしょうか・・・?
 これは、過去の経験であったり、知識をもとに行っていることが多いと思います。このような直感的な思考というものは、普段の生活のなかで物事を判断するうえで重要な役割をしていることもあります。

 しかし、この直感的思考というものは言い換えれば、現状をしっかり把握せずに「思い込み」をしているというともいえます。
例えば、自分自身が書いた文章を校正をしたりするときは、たとえ誤字があったとしてもなかなか、探すことはできません。

 これは、自分はちゃんと書いているんだという、思い込みが間違っている文字を正しく書いてあると同じように読ませているからだと思います。

 レイ・ハバート氏は、著書の「思い違いの法則」の中で、思い違いの原因となる、素早く直感的な判断のことをヒューリスティックの罠とよび、直感によって無意識のうちに即座に下す判断の危険性と正確な判断の必要性について述べています。

 東京医科歯科大学の藤田紘一郎名誉教授によると、私たち自身が脳をだましたり、脳にだまされたりしているそうです。
 例えば、夜眠れない時など眠ろうとすれば眠ろうとするほど眠れなくなったり、終わらせなければいけないことがあり眠ってはいけないと考えるとやたら眠くなるのも脳が疲れてだまされている結果なのだそうです。

 藤田名誉教授の話では、脳はそういうことがあっても、腸はだましたり、だまされたりはしないそうなのです。
 これは、腸と脳の発達の歴史の違いにあるのでは・・・?としています。

 約40億年前に地球上で生物が最初に生まれそのときに腸が出来たのにたいして、脳は5億年前位になるそうで、生物の歴史の中で8割位の期間生物は脳を持っていませんでした。
 そのために、私たち人類は腸をうまく使っていますが、歴史の浅い脳のことをまだ充分に知らないために勘違いをするように出来ているのでは、としてます。

 私たちが、経験的に知ってる腸の判断による身体の症状というのもは下痢です。
下痢は、身体に対して害のあるものは入り込んだりした時に、脳が判断する前に腸が独自に身体の中の水分を腸内に取り込み水と一緒に体外に排出する行為です。
 また、便の色や量も便通をとおして、健康になるための便りを常に発信し続け、時には警告を鳴らしているのです。

 「腸は第二の脳」といわれますが、脳に対して作用する神経伝達物質は腸で産生されるものも少なくないということを考えると、ひょっとすると脳は、腸の支配下にあり「脳は第二の腸」なのかもしれせん。


 まさに、「脳はだませても、腸はだませない・・・」ということのようですが、この腸と脳の関係も私たちの健康にとって大変重要な役割をしているようです。


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Posted by toyohiko at 14:17│Comments(0)身体のしくみ
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