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2013年02月16日

タバコとストレスと乳酸菌

タバコとストレスと乳酸菌

 タバコとストレスという関係は、多くの方が想像がつくと思います。また、タバコを吸うことによってストレスを軽減しているという方々が実際に多いのも事実だと思います。色々な研究結果からも、免疫力を下げる2大要因とまで言われているタバコとストレスこの二つを組み合わせることによって片方の要因を軽減しているという、妙な関係のような気がします。

 ここで、職業柄ストレスの多い喫煙者を対象に行ったイタリアでの研究の報告を聞いてきましたのでご紹介したいと思います。

 イタリアのグヌンツィオ大学生命医科学部職業医学部門長のP.ボスコロ教授によるとイタリア中心部を代表する男性労働者72名を対象に36名には、L.カゼイ・シロタ株の入った粉末、他の36名には、同様の粉末で乳酸菌の入っていないプラセボ粉末を3週間にわたって継続摂取した結果をもとに分析したものです。

 対象者の年齢は、40〜60歳、平均年齢は50歳で、年齢、身長、体重、喫煙本数など均等に振り分けた二群で自然免疫の代表選手である、NK細胞の活性などを調べるという方法で行ったのですが、L.カゼイ・シロタ株を摂取しなかった人たちは、喫煙数の増加とともにNK細胞の活性の低下が顕著であったのに対して、乳酸菌を摂取した人たちの方がNK活性が上昇する人の割合が優位に高かったことが示されました。

 また、今回の実験では、仕事上でのストレス負荷についても同時に調査したのですが、職種としては工場、建設現場、病院、職人という職種を対象に行いました。事前にkarasekの質問票をもとに、もっともストレス負荷や不安感が高いという調査結果の出た建設現場のような、自分自身の決定自由度の少ない職場の人の方が、免疫活性が低いことが分かったことと同時に、そのようなストレスに対してもL.カゼイ・シロタ株を摂取した人たちの方が有意に活性が上昇したという結果が出ています。

 これらのことから、タバコのような免疫活性低下作用のあると言われているものに対しても、乳酸菌の免疫活性作用の有効性が示唆されたことと同時に、職業性のストレスに対しても、同じようの免疫活性作用の可能性が出てきたということになります。

 P.ボスコロ教授によると、L.カゼイ・シロタ株の摂取により、免疫系及び神経分泌系において、神経系の調整作用が改善されたということを示唆する大変有効な結果として発表がなされました。

 免疫のみならず、神経系への作用も「腸は、第二の脳」と言われている所以の解明がさらに進んできているような気がします。


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Posted by toyohiko at 14:50│Comments(0)身体のしくみ
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