身体のチカラ › 身体のしくみ › 朝の運動と夕方の運動どちらが良いか

2012年09月28日

朝の運動と夕方の運動どちらが良いか

朝の運動と夕方の運動どちらが良いか

 健康の為に、適度な運動は大切ということは、たぶん誰もが共通の認識だと思いますが、「いつ運動をしたらいいか」ということについては人によって意見の分かれるところだと思います。

 いつが良いという前に、いつが時間がとりやすいという方もいるかと思いますが、今回は身体の仕組みから見たときにいつが良いかという視点で考えていきたいと思います。
 
 人間の身体は、朝から夕方まで全く同じコンディションではありません。例えば、起床から3~4時間後が計算能力や思考能力が最も高くなったり、筋力が最も発揮されるのは夕方だったりします。病気などの身体の症状も時間帯によって出やすい症状というものがあるようです。
これも体内時計などの生命活動に関わるサイクルに大きく関係していると言われています。

「いつ運動するのが、一番良い・・・」ということを、この身体のコンディションにそって考えてみると、朝一番から運動すると云うのは実はあまり適さないということになります。その理由として、順天堂大学医学部の小林弘幸教授は3つあげています。

 まず一つ目は、「怪我をしやすいこと」・・・朝というのは交感神経が非常に高い時間帯の為に血管が収縮していたり、うっ血しやすい状態になっている事が多いために、筋肉が硬くなり、結果身体がかたい・・・という状態になっています。そのために怪我が起こりやすい状態にあると言えるそうです。
最近では、スポーツ医学が進み、朝の運動が選手の怪我につながりやすいことが分かってきたために大学の運動部の合宿などでも午前中の10頃から始めるところも増えてきているそうです。
特に、高齢者の方たちにとってはリスクがさらに高くなるので、注意が必要かもしれません。

 二つ目は、「疲れてしまうこと」・・・朝の運動は、思った以上に身体に負担がかかるためにどうしても疲労感が出てしまうそうです。その状態で、仕事や勉強に向かうとなれば自律神経のバランスが崩れやすくなります。
 朝、早起きした達成感でモティベーションが上がったような気がするのですが、実は仕事の効率が下がっている・・・ということも実は多いようです。

 三番目は、「あとに仕事などが、控えてるなどのストレスのために運動効果が下がってしまう」・・・人間、気になっている事があると、それが気になって集中できないということがありますが、まさにその状態になっているということです。

 こうして考えると、人間の身体は時間帯によってどの器官が優勢になっているか・・・ということもありますので、その状態に従って生活のリズムを組み立てた方が良いということになります。

 朝の時間帯は、1日の中で脳が最もさえている時間帯なので、その時間帯を身体を動かすことに費やすよりももっと脳を使うことを積極的にした方が良いようです。
ということは、身体を動かすのはそのあと・・・ということになりますが、あまり寝る前に心拍数が上がるような激しい運動をするということも、リラックスした良い睡眠を得るためには良くないようです。

 とはいえ、「いつ運動といっても、ここしか時間が取れない・・・」という人もいますので、その場合は、いろいろなリスクやメリットを理解したうえで、少しずつ工夫していくことも有効かもしれません。


同じカテゴリー(身体のしくみ)の記事画像
腸内細菌叢とメンタルヘルス「パーキンソン病に関する研究事例」
プロバイオティクスは、お腹の中でどうなっているのか
マイクロプラスチックとリーキーガット
男性更年期障害と腸内細菌
「我が家の味」と腸内フローラ
腸内細菌によるストレス緩和・睡眠効果のメカニズムについて考えるⅡ
同じカテゴリー(身体のしくみ)の記事
 腸内細菌叢とメンタルヘルス「パーキンソン病に関する研究事例」 (2025-03-07 16:52)
 プロバイオティクスは、お腹の中でどうなっているのか (2025-02-28 10:21)
 マイクロプラスチックとリーキーガット (2025-02-14 09:19)
 男性更年期障害と腸内細菌 (2025-02-06 14:52)
 「我が家の味」と腸内フローラ (2025-01-24 13:55)
 腸内細菌によるストレス緩和・睡眠効果のメカニズムについて考えるⅡ (2024-12-20 16:46)

Posted by toyohiko at 15:00│Comments(0)身体のしくみ
※会員のみコメントを受け付けております、ログインが必要です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。