2012年08月25日
便秘が治れば他の病気も治る?

「便秘外来」という言葉を聞いたことがある方もいるかと思います。「便秘」を病気として専門医に診ていただいて治療するということですが、これまでも紹介している順天堂大学の小林弘幸教授の外来などは、予約が3年待ちという状態とも言われています。
これは、これほどまでに多くの人が便秘に苦しんでいるということの裏付けにもなります。また、便秘外来にかからなければという方の場合のほとんどは、強度の便秘に苦しんでいるということなので、長期間便秘で苦しんでいる方の多さも同時にうかがえます。
便秘という現象は、腸の内容物を移動させる機能が低下して、便を排泄することが出来なくなってきている状態のことになります。
腸管には、「輪状筋」と「縦走筋」という2つの筋肉があり、それらがリズミカルに収縮を繰り返すことで、内容物を移動させています。この腸管の動きを「腸の蠕動運動」と言うのですが、この蠕動運動をコントロールしているのが自律神経なのです。
この自律神経は、交感神経と副交感神経のバランスが大切だということは以前にも述べた通りなのですが、どちらかの自律神経が飛びぬけて高いかによって便秘のタイプも異なるということになります。
前出の小林弘幸教授によると、交感神経が過剰に高い場合には、「腸が動かなくなるタイプの便秘」に、副交感神経が過剰な場合には、「腸が収縮するタイプの便秘」なるそうで、実際に「便秘外来」掛るような方のほとんどは、自律神経を測定すると、かなりの確率で自律神経がどちらかに飛びぬけているのだそうです。
こういった方の場合は、何年も便秘に苦しんだ結果、疲れやすくいつも体調がすぐれなかったり、精神的にもイライラすることが多く、少しのことでも興奮でして怒ってしまったり、十分な睡眠もとれないという方もいるそうです。
その場合に、下剤はかえって逆効果の場合が多く、一時的に便が排出されたとしても便秘と言う状態は変わらずに、かえって身体に負担をかける場合の方が多いからだそうです。
便秘が治るということは、腸管の蠕動運動がきちんとリズミカルに行われている状態にするということなので、そのような状態に戻すためには、乳酸菌などの良い腸内細菌を優勢にし、腸内環境を整えることで便秘が改善されます。
ヨーグルトなどの食品も有効ですが、腸内の善玉菌を増やすための乳酸菌をより多くるための乳製品乳酸菌飲料や整腸剤が効果は高いようです。
こうして、腸内細菌のコントロールが出来ると、運動や食事の効果が上がることももちろん、自律神経を整える力もアップしてくるといわれています。この理由は、腸からの栄養吸収が良くなり、その結果血液の状態が良くなるからだそうです。栄養の吸収が悪い状態になれば、身体の細胞の栄養が足りなくなるばかりでなく、腸の中の吸収しきれなかった栄養素が腐敗し毒素を出して血液を汚し始める・・・というわけです。
どんな高級なご馳走でも、何日も、36度前後の温度で食べずに放っておいた状態を想像してみてください。
誰もが想像したくない・・・・と思うはずです。
この汚れたち血液が、肝臓や心臓・・・腎臓などの臓器を悪化させる・・・
これが便秘の実態であり、身体の状態からすれば負のスパイラルに陥った状態ともいえるのです。
この負のスパイラルから脱出することによって、体調が良くなる人も少なくないということなのです、「便秘外来」がここまで予約待ちになっている理由の一つが、「他の病気も良くなった・・・」という口コミが広かったからともいわれています。
たかが便秘・・・されど便秘・・・身体全体のバランスという視点から便秘を見直してみませんか・・・
Posted by toyohiko at 14:21│Comments(0)
│身体のしくみ
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