2012年06月29日
必要な栄養素とサプリメント

今年の5月に横浜で行われた、「第55回日本糖尿病学会年次学術集会」で、マグネシウムが?型糖尿病の発症を予防する可能性についての発表があったそうです。
?型糖尿病というのは、いわゆる生活習慣が大きく起因するタイプの糖尿病なのですが、今回の発表は、福岡県久山町の健診データから糖尿病のない40~79歳の住民の21年間の疫学調査からのものだそうで、実際に?型糖尿病の発症した2,000人の食事内容を解析したところ1日のマグネシウム摂取量が増加するに従って?型糖尿病の発症率が低下している事が確認されたという内容のものでした。
マグネシウムと糖尿病の予防効果については、2004年にハーバード大学の研究者らが128,000人を対象とした調査でも注目を集めたという経緯もあり、日本人を対象にした知見が発表されたということは、糖尿病に悩んでいる人にとっては朗報なのではと思います。
いろいろな、研究解析の結果によると1日のマグネシウム量が100mg増えるごとに、発症のリスクが15%減少するということらしいのですが、栄養摂取基準量があるので気をつける必要もあるようなのです。日本人の栄養摂取基準によるとのマグネシウムの摂取推奨量は30~49歳の男性で1日370mg、50~69歳では350mgと言われています。
ここで、注目すべきなのは、通常の食品から摂取する場合は上限なく考える必要はないが、サプリメントとして摂取する場合には350mgの上限を超えると一過性の下痢を起こす場合があり注意が必要だということです。
数年前にも、イソフラボンの過剰摂取により、ホルモンバランスが崩れ、乳癌などのリスクが上がるという話がありました。そのときにも、「味噌汁、豆腐、納豆などの日本食を普通にとった場合どうなるのだろう・・・?」という疑問を持った記憶がある方々も多いのではと思います。
この時も、どうらや過剰摂取というのはサプリメントで摂取した場合のことを指し、通常の食品で摂取した場合はあまり心配は無いということだったような気がします。
そうしてみると、必要な栄養素をサプリメントで摂るということは人間の身体にとってどのような影響があるのだろうということを考えさせられます。一つ考えられるのは、薬にしてもそうですが、特定の成分の純度が上がることによって身体に影響をあたえる量も速度も大きくなってくるという可能性です。もう一つは、食品から摂取する場合は、一つの生物を構成するための色々な成分が同時に含まれているために、それぞれの成分が調整しあうことによって、結果身体への悪影響が出にくくなっているのでは・・・?ということです。
これらのことについては、はっきりしたことは言えませんが、サプリメント大国と言われる日本、「ついついサプリメントに頼りがちになる・・・。」というかたも多いかもしれませんが、必要な栄養素というものはあくまでも、食品からとったうえで、補助的に上手に利用していくというのが一番ということなのかもしれません。
Posted by toyohiko at 09:29│Comments(0)
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