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2012年06月16日

リオの伝説のスピーチ

リオの伝説のスピーチ

 1992年6月、ブラジルのリオデジャネイロで開催された地球サミットでの12歳の少女のメッセージ。
この言葉が、世界中の環境問題を動かすきっかけになったともいわれていますが、20年経ったいま、自らがそのメッセージにどのように応えてこれたのかを、もう一度考えなければならないと思います。

 これからの20年のために、これまでの20年を振り返る・・・
 その時、彼女は「自分たちの将来が決められる会議」の存在を知り、「子どもこそがその会議に参加すべき」と仲間とNGOのブースで粘り強くアピールした結果スピーチの機会を得ることが出来たそうです。

その時の、少女のメッセージを紹介します。

 Hello I’m Severn Suzuki speaking for ECO(The Environmental Children’s Organization) 

 私たちは、この世界を変革しようとしているカナダの12歳から13歳の子どもたちのグループです。あなた方大人たちにも、ぜひ変革してもらおうとお願いするために、自分たちで費用を集めて、6,000マイルの旅をしてきました。

 今日の私の話には、隠れた意図はありません。私は私の未来のために戦っています。自分の未来を失うことは、選挙で負けたり、株で損をしたりするのとはわけが違うんですから。

私がここで話すのは、すべての未来に生きる子供たちのためです。
 私がここで話すのは、叫んでも耳を貸してもらえない世界中の飢えに苦しむ子供たちのためです。
そして、地球の他に行くところもなく、絶滅しようとしている無数の動物たちのためです。

 私は、太陽の下に出るのが怖い、オゾン層に穴が開いたので。
 息をするのが怖い、空気にどんな化学物質が入っているかも知れないから。

 父と良くバンクーバーで釣りをしたものです・・・数年前に、体中ガンでおかされた魚を見つけるまでは・・・
 そしていま、動物や植物たちが毎日のように絶滅していくのを私は耳にします。永遠に消えてしまうのです。

 私の人生の中には、いつか野生の動物の大きな群れや、たくさんの鳥や蝶が舞うジャングルを見る夢があります。でも、私の子供たちは見ようとしても、存在するがどうかすら分からないのです。
 あなた方は、私ぐらいの年代の時に、そんなことを心配しなければなりませんでしたか?

 こんな大変なことが目の前で起こっているのに、まるで、いくらでも時間があって完全な解決策があるように行動している。
 まだ子供の私には、完全な解決策があるわけではありません。でも、あなたがた大人にも良い解決策なんて持っていないということをわかっても欲しい!

 あなた方は、オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか知らないでしょう・・・
 あなた方は、命を失った川にどうやってサケを呼び戻すのかわからないでしょう・・・
絶滅してしまった動物をどうやって生き返らせるか知らないでしょう・・・
そして、砂漠化してしまった場所にどうやって森をよみがえらせるのかわからないでしょう・・・

 どうやって、直すのかわからないものを壊すのはやめてください。

 ここでは、あなた方は政府とか企業家とか団体とか報道関係者とか政治家の代表であるかも知れません。でも本当に、あなた方も誰かの母親であり、父親であり、叔母であり、叔父なんです。そして、あなた方の誰もが誰かの子供なんです。

 私はまだ子供ですが、ここにいる私たちみんなが50億以上の人間からなる大家族の一員であることを知っています。いや、それどころか、3千万種類の生物からなる大家族です。同じ空気と水と土を分かち合います。国境や政府も、このことは変えることはできません。

 私は子供ですが、私たちがみなこの大家族の一員として、一つの目標に向けて世界が一丸となって行動しなければならない事を知っています。

 私は怒っています。でも、行き当たりばったりではありません。
 私は怖い。でも、私がどのように感じているかについて、世界に伝えることを恐れません。

 私の国では、無駄なモノをたくさん作り、買っては投げ捨て、買っては投げ捨て、それでも北の国々は、貧窮者と分かち合おうとしません。モノありあまっていても、自分の富をほんの少しでも失うのが怖い、分かち合うのが怖いのです。

 カナダでは、十分な食物と水と住まいを持つ恵まれた生活をしています。時計、自転車、コンピューター、テレビ、・・・ 私たちの持っているものを数えあげたら何日もかかることでしょう。

 2日前ここブラジルで、路上生活の子供たちと出会い、しばらく一緒にいて、私たちはショックを受けました。一人の子供が私たちにこう言いました。「僕が、お金持ちだったら良いのに、そうなったら、全てのストリートチルドレンに食べ物と、着るものと、医療と、住む場所と、愛と愛情をあげるのに。」何も持たない路上生活の子供が、分かち合う気持ちがあるのに、全てを持っている私たちは、何故こんなに欲が深いのでしょう。

 これらの子供たちが、私と同世代だということが、私の頭を離れません。どこに生まれるかによって、こんなにも人生が違ってしまう。
私がリオの貧民窟に住む子供の一人だったかも知れない、ソマリアで飢えている子供だったかも、中東の戦争犠牲者かも、インドで乞食をしていたかも知れないんです。

 私は、まだ子供ですが知っています。もし、戦争にために使われているお金を全部、貧困をなくし環境問題を解決するために使えば、この地球は素晴らしい場所になることを!

 学校で・・・、幼稚園でさえ、あなた方は私たちに、世の中でどうふるまうかを教えてくれます。

 争いをしないこと
 話し合いで解決すること
 他人を尊重すること
 散らかしたら自分でかたずけること
 他の生き物をむやみに傷つけないこと
 欲張らずに分かち合うこと  ・・・

それなのにどうして、あなた方は「私たちにするな」ということをするんですか。

 何故、あなた方がこうした会議に出席しているのか、そして一体誰のためにやっているのか忘れないでください。私たち、つまりあなた方の子どものためです。

 あなた方は、私たちがどんな世界に育っていくかを決めているんです。

 親たちは子供たちを慰めることが出来なくてはなりません。そのために「すべてうまくいくよ」という。あるいは、「出来るだけのことはしてるから」とか、「この世が終わるわけではない」とか・・・

 しかしもう、あなた方は私たちにそんな言葉を言うことが出来るとは思えません。

 私たちのことは、あなた方の優先事項のリストに載せてもらっていますか?

 父はいつも私に「何を言うかではなく何を行うかです。」と言います。

 あなた方がやっている事は、私たちを泣かせています。
 あなた方は私たちを愛していると言って育てます。

私は言わせてもらいたい、あなた方の言葉を行動で示して下さい。

  Thank you for listening・・・


  このスピーチに応えるべく、行動を一歩づつしていかなくてはなりません。
  未来のために・・・


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Posted by toyohiko at 11:47│Comments(0)地球を考える
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