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2012年06月09日

女性も気になる頭髪の話

女性も気になる頭髪の話

 人間だれしも、いつまでも若々しく見られたいという欲求があると思いますが、特に頭髪は量や色など、目に見えてわかるだけに特に気になるところです。
年をとってくると、誰でも髪の毛が細くなったり少なくなったりするものです。これは生理的な現象で、ある意味仕方が無いこととも言えますが、現実問題としては、なかなか割り切れないところがあります。

 通常、ウサギやネズミなどの動物は、時期が来ると体毛がいっぺんに抜け落ちて生え換わるのですが、人間の場合は1本1本のサイクルが違うために知らないうちに入れ換わって常にふさふさしているように見えるということになります。
 ちなみに、健康な人の毛髪は、2〜6年成長し続け、その後成長が止まり2〜3週間経つと、下から新しい髪の毛が生えてくることにより押し上げられ、古い毛が抜け落ちるというサイクルで生え換わっているそうです。
 
 つまり、毛髪の成長が、1ヶ月に1cmと考えた場合、いくら長くしても70cmくらいにしかならないということになります。この70cmの髪の毛というのは成長し続けた場合ということになりますが、残念ながら、このサイクルが加齢やそのほかの条件によって短くなってしまうために、結果的に髪の毛が太くならないうちに、どんどん抜け落ちていく現象を脱毛症というのです。

 この脱毛症、圧倒的に多いのは円形脱毛症と男性型脱毛症なのですが、女性型脱毛症というのもあるそうです。この女性型脱毛症というのは、髪の毛がうぶ毛のように柔らかくなってしまい、頭のてっぺんあたりが薄くなっているのが特徴ですが、あまり目立たないので病院に行くほどではないにしても悩んでいる人も多い症状のようです。
東京医科大学皮膚科の坪井良治教授によりますと男性型脱毛症は男性ホルモンによる影響を大きく受けるのに対して、女性型脱毛症の場合は、原因が非常に複雑であるということです。
 女性型脱毛症は、若い人では、出産後や30代前半くらいからみられる人もいます。出産後などは、女性ホルモンであるエストロゲンの急激な低下のために脱毛が起こったり、甲状腺機能低下症や膠原病の影響で脱毛が起きる場合もあります。さらに、鉄、亜鉛、銅などの微量元素の不足や自己免疫疾患の症状のの場合もありますので、同時に、むくみや疲れ易い、手足が冷たい、喉がはれるなどの諸症状とあわせて総合的に判断する必要があります。

 他の疾病の症状の場合は、その症状の治療をすることがまず第一なのですが、脱毛症のみの場合の予防法もあるようです。
 まず1番目は、煙草を控えることだそうです。これは煙草に含まれるニコチンが末梢神経を収縮させるため、血行を悪くして脱毛を促進すると言われています。

 次に、食事です。急激なダイエットも脱毛症の原因といわれていますので注意することが必要です。また、鉄、亜鉛、銅などの微量元素が不足しないようバランスの良い食事をとることが必要です。ちなみに昆布やワカメなどの海藻類と毛髪の関係は根拠はないようで、むしろ良質なたんぱく質をとることの方が重要です。

 最後は、シャンプーです。シャンプーは多くても1日1回までにしておくのが良いようです。頭を洗うと頭皮がもとに戻るのに24時間くらいかかると言われていますので、シャンプーも多すぎると皮脂が無くなって脱毛につながるようです。シャンプーの後の処理ですが、ドライヤーもかけすぎに注意して適度になところで止め、自然乾燥させるのが良いようです。

 なかには、発毛剤とか育毛剤をお使いの方もいるかもしれませんが、これらは、短くなってしまった毛の成長する期間を毛根に作用することで長くさせるものがほとんどで、まったく毛のないところに毛髪を生やすものではないそうです。

 これを見て、「他人ことではない・・・」と思った方、若々しさを保つための一工夫を始めてみても良いかもしれません。


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Posted by toyohiko at 16:26│Comments(0)身体のしくみ
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