2012年05月19日
便秘は生活習慣病

便秘という症状に悩まさせている人は、意外に多いものです。この便秘、通常は排泄が困難になっている状態を指しますが、同じ排便間隔であっても便秘と言える人とそうでない人もいるのです。
「毎日1回は出ない」状態を便秘という認識の方もいるようですが、排便間隔そのものよりも、便を排泄する時に「スッキリ出る」かどうかの方が重要だと言われています。1日2回以上出る様な方でも、いつも、残便感が残っているようであれば便秘であるということも言えると思います。
通常、便がスッキリ出る条件は3つあると言われています。
まず、1つ目は食事(含む水分)の量です。便の成分のほとんどは腸内細菌の死骸や消化器官の粘膜の剥がれおちたもので出来ていますので、食事を殆ど摂っていなくても便は出ることには出るのですが、やはり便の大もとになる食物と水分がないとしっかりとした排便につながりません。
また、食物繊維の入ったものを多くとるもの、水分をたくわえて便の量を増やす効果があるので有効です。
2番目は、適度な運動です。腸の中に便が入っていてもその便をスムースに押し出す力がないと良い排便につながりません。皆さまも、「ついつい出たいときに我慢をしてしまったことがきっかけで便秘がちになってしまった。」という経験をお持ちかもしれませんが、このような場合は、便が体内に長く滞留することで、便の水分量が少なくなり、結果、排便する時により多くの筋力が必要になってしまいうまく排便出来なくなってしまうことによって便秘になってしまうのです。
乳幼児期のころ、うまく息んで排便することが出来ない事から、便秘になってしまうことが多いのも同じ現象です。
そのためには、日頃運動を心がけて腹筋や括約筋など排便に必要な筋肉を適度に鍛えておくことが必要なのです。
最後は、腸内環境を整えて腸の蠕動運動などが正常に動く状態にしておくことです。以前にも、便秘の怖さは説明をさせていただきましたが、腸の中に便が長くたまった状態が続いてしまうと、腸内腐敗が進み悪い菌が産生した物質によって、色々な病気を引き起こる原因になることもわかってきています。そのためにも、腸内腐敗が進まないように乳酸菌やビフィズス菌のように良い菌を優勢にして、腸内を酸性に保つことが大切です。
これらの、スッキリ便を出ための3つの条件、残念ながら、加齢によって次第に悪くなってしまいます。
「食事の量があまり食べれられなくなった。」、「水分をあまり摂らない」、「歳をとって、運動もあまりしなくなった」・・・ひょっとすると自分自身、あるいは周りの人に心当たりのある人もいるのではと思います。
また、腸内のビフィズス菌も加齢によって減っててしまうという研究データも数多く発表されています。
年配の方で、「便秘が続いて苦しいので、下剤を・・・」と言う人がいますが、これが習慣になってしまうと、腸内環境が悪くなってしまうので、次の便秘を誘発することになり、「下剤を飲んで出す。」ということが習慣になてしまっている人も少なくないと聞きます。
そんな時は、ひどい便秘になる前に生活習慣を見直して、「食事」、「運動」、「良い腸内環境」の3つの条件を整える事によって、負のスパイラルに入り込まないようにしないといけません。
腸内腐敗が進んで、本当の生活習慣病になる前に・・・自分自身の生活習慣を見直しましょう。
Posted by toyohiko at 14:02│Comments(0)
│身体のしくみ
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