2011年11月26日
地球に住んでいる微生物の量は?

私たちは、見えないものに対して「無いもの」として扱ってしまうことが多いような気がします。「空気のような存在」という言葉にもあるように、普段は目に見えず、そのものの存在すら意識していないのですが、実は生きていくために必要不可欠であるものというのは実は多いのです。
その一つが、微生物です。この微生物は量質ともに動植物を圧倒するくらいの地球環境への影響力を持っているのでは・・・と言われているのです。
微生物の棲むことができる場所を見てみると、大気中は上空5,000kmから、地中1,000km近くまで観測されており、海洋や湖沼などの水中にもほぼどこにでも存在します。さらに、人間を含む動植物の中にも各種微生物のグループが定住しており、様々な共生関係を保っています。
微生物の活動が盛んな土壌には、1g当たり10億個という微生物が存在しているといわれており、重さにしてみると10m四方の肥沃な土地を15cmの深さまで掘った場合その中に含まれる微生物の量は50kgにもなるとも言われています。
50kgと言えば、軽量の人と同じ位ですが、両者の代謝能力を比較した場合、微生物の合計代謝量は人間の500倍にもなるされており、環境への大きな影響力が伺えます。
海中の場合、イギリスのインデペンデント(電子版)によると、海水1l当たり10億個の微生物細胞が存在することが科学者2,000人による最近の研究プロジェクトで解明されたそうです。
さらに、この研究では魚類などを含む海中微生物量全体の50〜90%を微生物が占めていて、その総重量がアフリカ像2,400億頭分にも上り、その数量ともなると、1000×10億×10億×10億個程度という日常的には理解不能な数字が発表されています。
また、微生物の増殖の速度でいえば、細菌を例にとった場合、約20分で1回のペースで2つに分裂することが可能なので、。その考え方で単純計算すると、μ(ミクロン=1,000分の1mm)の単位の1個の細菌が24時間後には重さにして5,000トンというとてつもない量に増える能力があるとされています。
現実は、色々な環境や細菌相互の影響などがありそのような結果にはなりませんが、潜在能力としては恐ろしいものがあることだけは事実のようです。
これらのように、単純に微生物の量と言っても「すごく身近で、とんでもなく多い・・」というくらいしか表現できないのが現状かもしれません。
これほどの、スケールだけに種類や性質というような実態が分かっている微生物種は、ほんの一部にしか過ぎません。最近のNASAの発表では、生物には毒とされているヒ素を積極的に取り入れる菌の存在が明らかになったり、性質もかなり多様で人類の生活に役に立つものもこれからたくさん出てくるような期待もされています。
しかし、このような変幻自在の棲息ぶりと膨大な数、たとえ1個の微生物でも地球環境そのものに影響を与える、大きな存在であるという認識も必要かもしれません。
Posted by toyohiko at 11:23│Comments(0)
│地球を考える
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