2011年11月11日
果物や野菜でも起こるアレルギー

皆さんの周りに、果物や野菜などを食べると口の中が痒くなるという人はいないでしょうか?
キウィやバナナ、トマトなど嫌いではないけど食べるとどうも・・・という人がここ数年増えてきているそうです。この症状の特徴は食べてから数分でかゆみなどを感じるということです。
この症状、いわゆる食物アレルギーの一つですが一般のアレルギーとは区別されているそうです。どのように違うかと言いますと食物アレルギーは腸まで届き吸収されてから全身に症状が出たりするのに対して、口の中で反応が出てアレルギーを起こすのですが、いや腸に届くころには、胃酸や消化酵素で反応する原因物質が壊されてしまうためにほとんどの場合口の中だけの症状に限られるために口腔アレルギー症候群と言われています。
国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部長の海老澤元宏氏によると、この口腔アレルギーには大きく分けて3つのタイプがあるそうです。
まずはじめは、「花粉食物アレルギー症候群」といい果物の中にある花粉症を起こす花粉とそっくりなタンパク質に反応してしまうというわけです。
例えば、リンゴはシラカバ花粉と非常によく似たタンパク質を持っているためにシラカバ花粉症の人はシラカバ花粉に対するIgE抗体をたくさん持っているために、リンゴのタンパク質と反応してアレルギー症状が起きてしまうのです。
二つ目は、「ラテックス・フルーツ症候群」と呼ばれるもので天然ゴムの製品に含まれるラテックスにアレルギー反応をおこしてかぶれたり、じん麻疹が出たりすることがあります。そのラテックスと似たたんぱく質を持つ、バナナ、アボガド、キウィ、栗、トマトなどに反応してしまうことがあるのはラテックスが原因です。
三番目としては、「リピッドトランスファープロテイン症候群」と呼ばれるもので食物中のリピッドトランスファープロテインという物質に反応してしまうケースです。
このケースは、桃、サクランボ、杏、トウモロコシ、オレンジが同じタイプのタンパク質を持っているために注意が必要なようです。
これらの症状は、タンパク質が原因のために生の果物や野菜の場合は症状が出るが加熱したりすると症状が出なかったり、緩和されたりすることがあるようです。
すべてのアレルギーがそうですが、原因物質を取り除くことが大変重要ですが、それには原因物質の反応があるかどうかを明らかにしたうえで判断することが必要ですので、勝手な判断は禁物です。
しかし、日常の生活で「あれはだめ、これは心配」というのは嫌なものです。アレルギー反応というのは免疫反応の一つでありますので、日ごろの健康管理を通じて免疫力のアップを心がけることが大切ということになります。
Posted by toyohiko at 11:50│Comments(0)
│身体のしくみ
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