2011年10月29日
恐竜は便秘で苦しんでいた?

恐竜は皆さんもご存じの通り、人類が地球に生まれてくる前の太古に生物の頂点として生息ていた生物です。
この恐竜が生きていた時、一体どんなものを食べていたのかを調べるには、まず第一に挙げられるのは、歯の形とその歯を支える顎の骨や筋肉の量。そして、ウンチなどの排泄物です。「恐竜のウンチなんて、どうやって調べるんだ・・」と思う人もいるかもしれませんが、骨格の化石とともに恐竜のウンチの化石も実は発見されているのです。
恐竜といっても、草食竜と呼ばれるものと肉食竜と呼ばれのものがいます。肉食竜の歯は、鋭い短剣のような形をしています。獲物をくわえて頭を振りまわしたりすることによって、肉を引き裂いたり、歯から肉がずり落ちないようになっています。
肉食竜にとってこのギザギザの鋭い歯はいいことずくめのように思えますが、実はノコギリのような歯の間に細かい肉の繊維が挟まりやすく、それを取り除くのが大変難しかったようです。その結果、その隙間に細菌が大繁殖していたようです。
実際にアメリカの古生物学者がティラノザウルスの歯を用いて肉片を放置しする実験を行ったことがあるようで、その結果からも当時肉食恐竜の口臭は凄まじかったのではと考えられています。
次にウンチですが、草食竜に対して肉食竜のウンチの化石は極端に少ないそうです。これはもともとの個体数の違いや排せつの頻度などが考えられますが、古生物学者の福田芳生氏によると、肉食恐竜のウンチの化石はとても緻密で堅く、さらに中に消火液で腐食された骨片が混じっていることが多いそうで、排せつの時に大変な苦労を強いられたのではといわれてます。
このことからも、肉食恐竜は極端な便秘症ではなかったのかというのが有力なようです。
人間でも、過度の肉食に偏ると身体に必ずしも良い影響を与えないことと同じなのかもしれません。よく、ライオンなどの肉食の野生動物が獲物を捕らえると、まず内臓からというのは胃袋などの内部にある未消化の食物繊維などを一緒に食べることで、食べ物のバランスを取っているのです。
今や恐竜は絶滅してしまいましたが、その原因として隕石あるいは小惑星衝突説、集団食中毒説、過体重説などいろいろありますが、根強い関心がある説の一つとして便秘説があります。これも植物が裸子植物から被子植物に進化する過程でまず、草食竜が便秘になって数が減り、それらを餌とした肉食竜が絶滅してしまったという説です。
これらの説については、これからいろいろな研究を経て解明されると思いますが、便秘という症状が生物種の絶滅の原因として議論されるほど生命維持に関して重大な影響を与えているということを改めて考えさせられます。
Posted by toyohiko at 10:52│Comments(0)
│身体のしくみ
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