2011年10月14日
健康な足を育てるために

足というのは、皆さんもご存じのように身体を支える土台です。足がしっかりしていないと、膝、股関節、腰、さらには全身などに悪い影響が出ることもあります。
特に二足歩行の人間にとって足は、非常に大切なものです。
人間と他の動物の足の大きな違いは、土踏まずがあるかないかだそうで、霊長類でも四足歩行のものには土踏まずはありません。 土踏まずの大きな役割は、全体重を2本の足で支える場合のショックアブソーバー(緩衝器)としての機能になります。
逆に土踏まずが無かったとしたら、非常に不安定で、長い間立っているとすぐに疲れが出てきたり、ひどい時には立っていることさえできなくなってしまうそうです。
私たちに人間は、全身の筋肉を緊張させて立っています。土踏まずができずに不安定だと余分な筋肉を使い一生懸命に身体を支え続けなければなりません。その結果、疲れやすくなったり、不必要な筋肉の緊張により身体全体のバランスを損なって不調を訴えることもあります。
この土踏まず、生まれながらにあるものではありません。日本整形外科学会専門医でもある佐藤整形外科医院長の佐藤雅人氏によると、1歳から1歳半の歩き始めるころから少しずつアーチができる様になってきて、3歳から4歳位の間に土踏まずが形成されます。
さらに、活発に歩き回ることによって足の筋肉が発達し、骨の連結が強固になり、5歳から6歳くらいで大人の足と同じようになるそうです。
いったんできた土踏まずは、普通に生活して立ったり歩いたりしている限りなくなる事はないそうですが、稀なケースとして、長期間病気などで足を使わなかったり、足の筋肉の病気にかかったりということが原因で、非常にアーチが低くなり歩行が安定しなくなってしまいます。
また、偏平足という言葉もあります。偏平足というのは、土踏まずがうまく形成されなかった状態のことですが、この状態ですと、歩いていてもすぐ疲れたりということが起こります。
最近では、靴も良くなってきているので、人工的にアーチを作ったインソールを利用したりすることによって、補助する方法もあるようです。子供の場合などは、よく歩くようになったり、行動範囲が広くなると云うような効果が出る場合もあります。さらに、長く歩けるようになることで刺激が加わり健康な足に近づく可能性もあるそうです。
そういう意味でも、靴選びは非常に大切だと佐藤雅人氏も云います。理想の靴は、「靴の中でも裸足と同じような状態に保たれ、足の動きを妨げないもの」だそうです。
そのためのいくつかのポイントがありますが、特に重要なのが「かかと」です。かかとをしっかりと包み込みなおかつ、足が前に滑らないようにかかとが固定できることです。
たまに、かかとを踏んで靴を履いている人や、踏んだ跡がありかかとが崩れた靴を履いている人がいますが、これは見た目だけでなく、健康のためにもおすすめできません。
これを機会に、健康のためにという視点で、靴や足を見直してみませんか・・・
特に、土踏まずができる3歳から5歳のお子さんにはしっかりとした靴選びが大切かも知れませんね。
Posted by toyohiko at 12:26│Comments(0)
│身体のしくみ
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