2011年08月05日
体温と免疫との関係

最近、いろいろなところで「身体を温めて免疫力アップ」といようなキーワードを耳にします。これは、体温が上昇することによって身体の中の免疫細胞の活性度が増して、外敵から防御する力・・・いわゆる免疫力がアップするということを示しているようです。
逆に、低体温症という言葉も多く聞かれます。これは、平常時の体温が35度以下になっってしまうような症状のことを指すそうですが、この低体温症の大きな問題点としても免疫力の低下があげれらています。
先日、ある研究機関の方に免疫のことについて伺う機会がありました。その時に「体温が上がるから、免疫力が上がるのか・・・免疫力が上がるから、体温が上がるのか・・・どちらなのでしょう?」という質問をさせていただきました。
体温と免疫力について相関関係があるということは、ある程度研究が進んでおり解明されてきていますがが、どちらの要因が引き金になってこの相関関係が成り立っているのかの研究というのは、いわゆるニワトリと卵みたいな話になるりますが、あまり目にしたことがないという話でした。
その方いわく、貪食細胞とも呼ばれるマクロファージという免疫細胞は、外敵が入ってきたときに体温を上昇するための作用をすることがわかっているという話でした。「いわゆる風邪をひいたときに熱が出る。」という状態がこれに当たるのだと思います。
このケースについては、免疫細胞に対して明らかに相手がいる・・・すなわち戦闘態勢に入った状態ということになりますので、この原理をつかってある程度の体温の上昇を維持するには、常に外敵を補充し続けなければならないことになりますし、身体の状態としては良い状態とはいえないということになってしまいます。
また、体温の話で考えれば、身体中をめぐっている体液の循環の問題があげられます。特に手足などの抹消の毛細血管が滞ることによって、むくみにつながったり、いわゆる冷え性という症状になっている方も少なくないようです。
解消法の一つとして言われるのが、肩甲骨を身体からはがすようなイメージで腕を大きく回すなどをして、体液の循環を促す効果もあるようです。
この、体液の循環や体温と免疫力の関係がどのように解明されるかで、健康維持に対するアプローチも変わって来る可能性もありますので、これからの研究の成果に期待されるところです。
ひょっとすると「免疫力アップで体温を上昇」というように逆のキーワードになるかもしれませんね・・・。
Posted by toyohiko at 11:47│Comments(0)
│身体のしくみ
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