2011年05月14日
仕事を楽しむためのメンタルヘルス

「五月病」という言葉を耳にする季節になって来ました。この五月病というのは主に環境の変化によって起こるストレスが原因の病気の一つとされています。
そのストレスについて、「今まで蓄積してきたスキルや経験が通用しない時や、役割の変化が起きた時に感じるものです。」と横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長の山本晴義医師が述べています。
そのような状況になった時に過度に「何とかしなければ・・・」とあせってしまうことが悪い結果を招くことになりますので、時間をかけて解決することが必要だとしています。
その時に、大切なのは過去を美化せずに辛かったことや苦しかったことも併せて思う出すこと。ストレスのすべてが敵ではないということです。
「頑張って前に進む・・・」という状態は、ある程度のストレスが必要だとされています。最近では、体内の熱ショックタンパク質という物質がストレスによって上昇し、身体の免疫力の向上にも関わっているというような研究も進んでいるようです。
また、自分自身だけでなく周りとの関係性もストレスに大きく関わっています。職場の上司や同僚、配偶者や家族、友人など気軽に話が出来るかどうか、相談に乗ってくれるかどうかということもストレス状態をコントロールするためには大切なことです。
山本氏によると、メンタルヘルスの電話相談やメール相談の件数は、女性の方が圧倒的に多いのに対して、自殺者は男性の方が多いということがあります。これは、「男は黙って・・・」という社会的風潮によるものも大きいとしています。
また、最近は業務でも社内メールなどのITツールが普及してきていることもストレスの原因になっています。今のような様々なITツールが普及したことによって、職場でも友人同士でも「声をだして会話をする」必要が無くなってきていることも事実です。
実は、この「声を出す」という行為自体がストレスの発散になっています。友人や同僚とカラオケでストレス発散などというのは良い例です。
また、運動の効果も大きいです。運動習慣の無い人はある人に比べて、「背中が痛む」、「肩がこる」、「疲れやすい」という身体症状だけでなく、「陰口を言われているように感じる」、「何かをするのがおっくうになる」、「言いたいことがうまく言えなくなる」などの鬱の症状と同じ精神症状を訴えることもあるそうです。
こんな時代だからこそ、アナログの良さにもう一度目を向けることで、仕事や周りの環境を楽しむことが大切なのではと思います。その秘訣は、「話をする」、「身体を動かす」の二つです。
話をするには相手がいます、心地よい会話をするには相手のことを良く知り、常に気に掛けるということが大切になります。一緒に身体を動かすパートナーがいればメンタルヘルスにとってさらに良いことです。
サポートすることはサポートされることにもつながります、身近にストレスを抱えている人がいることもストレスになりますからね・・・
Posted by toyohiko at 11:20│Comments(0)
│身体のしくみ
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