2010年10月01日
真面目と不良どちらが長生き?

この問いかけ、一見すると「それは、真面目に生きた方が長生きに決まってる」ということを思う方が多いと思います。しかし、その答えははたしてどうでしょうか??
1970年代に、フィンランド保険局が40歳〜45歳の上級管理職1200人を選びだし、定期検診、栄養チェック、運動、煙草、コレステロール、塩分摂取などを規則正しく行った「真面目チーム」600人と、これらの項目を一切規制せず、健康管理をしない「不良チーム」600人を15年間にわたり追跡調査を行った結果、いわゆる不良グループの方が心臓血管系の病気、高血圧、がん、各種の死亡、自殺者の数が少なかった。
という意外な結果がでた、ということがあります。これは「フィンランド症候群」という名前でいろいろなところで紹介されています。
この結果の解釈については、様々な意見があるのですが、順天堂大学医学部教授の奥村康氏によると、「いま、健康長寿の分野で注目を集めている大きな要素の一つはコレステロール。もうひとつは免疫です。」と述べています。
コレステロールは、すっかり悪者にされていますがすべてのホルモンのもとで、脳の大事な栄養でもあります。 コレステロールも低すぎると感染症やうつ傾向になりやすいという話があったり、コレステロールが高い人は「話が面白い」人が多いというようなことを云う方もいるほどです。
最近、「コレステロールが高めの人の方が長生きである」というような研究結果が出され、医学界でも賛否両論喧々諤々という状態のようです。
一方の免疫ですが、あまりストイックに「・・・ねばならない」というのは免疫に対してマイナスの効果が大きいようです。皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、「笑いで免疫力を上げる」などという話がありますが「笑い」が免疫細胞の一つであるNK細胞の活性が高まるという研究結果もでています。
私たちの体は約60兆個の細胞で構成されていますが、毎日約数千個のガン細胞ができているといわれています。そのガン細胞は、健康な状態であればNK細胞などの免疫細胞がブロックをしてくれているのです。
しかし、ストレスなどの原因で免疫の活性が低くなれば、そのガン細胞が増殖してしまうことになります。生命保険会社の調査で「日本で早死にしやすいのは一部上場企業の真面目部長」だというショッキングな話もあります。小さい頃から優等生で、良い大学に入り、良い会社に入り、完全主義で、中間管理職時代が長く、上にも下にも気を使ってハメをはずさず、本音を言わず、健康のために好きなものもひかえ・・・という結果なのでしょうか。
「病は気から」という言葉もありますが、この言葉は身体の免疫力にも大いに関係しているようです。
「真面目と不良どちらが良い。」という結論は難しいとは思いますが、健康のためには適度に不良というもの個人的には悪くないような気もします。
もちろん、「人さまに迷惑をかけない。」というのが前提ですが・・・、
なんでも「・・・過ぎる」のは良くないようです。
Posted by toyohiko at 15:09│Comments(0)
│身体のしくみ
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