2010年09月03日
ゴロゴロお腹の謎

「牛乳を飲むとお腹がゴロゴロして・・・」という症状がでるかた、皆さんの周りにいますでしょうか?最近は比較的少なくなりましたが、昔はよくこのような話を耳にしました。
これは、乳糖不耐症という症状で、牛乳などに含まれる乳糖を消化しやすいブドウ糖やガラクトースに分解するためのラクターゼという酵素の量が少ないことにより起こる症状です。
この症状は、チーズやヨーグルトなどの乳製品の場合は、乳酸菌を使い牛乳を発酵させることによって乳酸菌が乳糖を分解するためにこの症状は起こりにくくなります。
この乳糖不耐症という症状ですが、日本人特有の症状なのでしょうか?
文化地理学者のフレデリック・シムーンズによると、ヨーロッパ、小アジア、アフリカ北部の古代から牧畜を営んでいた民族の分布と乳糖に耐性のある民族の分布に相関関係があり、それ以外の地域の人には乳糖を分解する酵素のラクターゼが欠乏していたと指摘しています。
つまり、世界中のほとんどの民族において乳糖不耐症という症状はもともとあり、はじめは、儀式のような形で生のミルクを口にしたり、あるいは発酵食品だけを消費したりしていたとされていますが、豊富な栄養源を確保できるという意味で、チーズやヨーグルトなどの発酵食品を食べる習慣とともにラクターゼが欠乏していない人たちが世界中に増えていったと言われています。
しかしながら、牛乳や乳製品はいまや世界中に広がっており、特定の人種や民族は乳製品を受けつけない、というような話はあまり耳にすることはありません。ここで興味深いのは、元々歴史的にみると世界中のほとんどの人が「お腹がゴロゴロする」症状を持っていたということと、習慣という食文化が遺伝子にまで影響及ぼしているということです。
「お腹のゴロゴロ」が気になる方、歴史に見習って発酵食品から試してみることで、ゴロゴロがなおるかもしれません。
Posted by toyohiko at 11:31│Comments(2)
│身体のしくみ
この記事へのコメント
私自身は、飲んだ時に舌に膜のようなものが残った経験がないので、詳しいことはわかりませんが・・・・、
ヤクルトの容器の底に時々沈殿物があるときがあります。 それは、無脂乳固形分といいはたんぱく質や糖質、カルシウムなどの無機質、ビタミン類など大切な栄養素を含んだものです。
この、無脂乳固形分が舌の上に残るという可能性のほうが多いかもしれませんね。もちろん安全性には問題ありません。
Posted by toyo at 2010年09月05日 23:43
最近、朝起きたらヤクルトを1本飲むようにしています。
飲むと目が覚めるような気がします。血糖値があがるのかもしれませんね。もともとお腹のゴロゴロは感じませんが、生活のリズムがちょっと乱れていると思うときは、腸の負担を助けてくれるようで安心です。
ところでヤクルト飲むと舌に膜のようなものが残りますが、これは牛乳を温めたときにできる膜と同じものでしょうか?
Posted by あらお at 2010年09月03日 13:07
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