2010年05月22日
ウィルスと細菌の違い

最近、宮崎県の口蹄疫の話をよく耳にしますが、この報道を耳にするたびに豊橋でも名産品であるウズラにインフルエンザウィルスが発見され大量の殺処分がされた1年前のことが思い浮かびだされます。
その年に行われた第13回の朝倉川530大会でも約2,800名の参加者に「がんばれ 530のまちウズラのまち豊橋」というメッセージを添えたウズラ製品を配布しました。
このウィルスとは、いったいどのようなものなのでしょうか?
ウィルス感染なんていう言葉があるくらいですから、細菌と言われるような微生物が身体の中に入ってきて悪さをする。というイメージの人も少なくないと思いますが、じつは、まったくの別のものなのです。
大きさとしては、細菌が約1μm(1mmの1,000分の1)、ウィルスが50~100nm(1μmの1000分の1)なのでウィルスは細菌の100分の1くらいのものあり非常に小さいということになります。細菌は生き物とほぼ同じ構造をしていますので、言い換えると単細胞の生き物ということになり条件が整えば細菌そのものだけで増殖することが出来ます。
つまり、食品衛生の世界での「細菌に汚染された状態」というのは増殖に適した環境になり、細菌が毒素などの人体に影響を与える代謝物を出した状態ということになります。みなさんもご存じの通り、空気中にも多くの細菌が存在しますので完全になくすことは難しいですが増殖しにくい環境というのが大切です。
一方、ウィルスというのは構造的には、生き物とは言えずDNAやRNAといたアミノ酸やたんぱく質だけでできていて、ウィルスだけでは生きていけないのです。そのため、人間や動物などの他の生物の体内に侵入し細胞内で増殖しながら、他の生物の身体を転々としていくのです。
逆に言いますと、増殖するための宿主(人間や動物など)が死んでしまうとそれ以上増殖できなくなるということになります。細菌であれば、抗生物質などで治療できますがウィルスはそれが出来ません。感染した家畜の殺処分ということもこのような理由からなのでしょう。
順天堂大学医学部アトピー疾患研究センターの奥村康教授によると、人間の場合ウィルスに感染した場合に1週間ほどでそのウィルスに対する抗体が出来ますが、高熱などの疾病症状が続いた場合その人の体力が持たないために死に至る危険があるということこと、基礎体力が落ちた状態にした場合に他の疾病にかかりやすいというリスクがあるということで、早めの処置が必要だということだそうです。
また、エボラ出血熱のような、強烈なウィルスの場合は発症した場合に死に至る可能性が大きいために結果として、早い段階で宿主である患者さんが亡くなっているために世界中にウィルスが移動しなくて済んでいる。という皮肉な結果も現実にあるそうです。
いずれにせよ、動物の身体にはウィルスや細菌などの外部からの侵入者から身を守る免疫細胞がありますので、その免疫細胞が活性化するように気をつけて日々生活を送ることが一番ですね。
Posted by toyohiko at 15:30│Comments(0)
│身体のしくみ
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