2015年01月03日
腸内バランスと幸せ

「嫌な相手と食事をすると、腸内環境のバランスが崩れてしまう」という話を聞いたことがありますでしょうか。腸は、身体の中でも最もストレスの影響を受けやすい臓器とも言われていますので、この説も、まんざら間違っているという話でもなさそうな気がします。
ストレスの影響を受けやすいということからすれば、強いストレスを感じた時に下痢の症状を起こしたり、旅先で便秘気味になったりという経験をした人も少なくない・・・ということから考えても腸内環境とストレスとの関係の深さを物語っています。
第1次安部内閣の当時、総理を辞任に追い込んだ、過敏性腸症候群(IBS)という名前で知られている症状も、ストレスによる消化器官の不具合によるものが大きいと考えられています。
ストレスと感じるとそのストレスに対して、対抗するためにアドレナリンを多く出すといわれています。一般的に善玉菌といわれている乳酸菌の菌株などの多くは、このアドレナリンに対する受容体をもっているのですが、緊張やストレスでアドレナリンが沢山出るような状況が続くと、この乳酸菌がぐっと減ってしまうことで、悪玉菌といわれる人体にとって有害物質を多く産生する種類の菌株が優勢になって、お腹の中にはびこってしまう・・という状況になってしまいます。
さらに、幸せホルモンであるセロトニンやドーパミンなどは、腸管の周りの神経細胞で作られるために、幸せホルモンをつくる・・・という循環も滞ってしまうために、さらなるストレスを脳が感じてしまう・・・というさらなる悪循環に陥ってしまうことになります。
また、腸は人間の身体の免疫機能の60から70%といわれる程、免疫システムの最前線を担っていますので、腸内環境が崩れることによって、発生した、腸内の炎症が身体のあちらこちらに回ってしまうことにより、健康に対して悪い影響が出てしまいます。
そういった意味では、腸内環境というものは身体にとって非常に重要なものであると同時に、日常のストレスがその状態に対して大きな関わりを持っていることがお分かりだと思います。
そのためには、腸内細菌のことを意識したうえで、「食事」を気に掛けたり、ストレスのない日常を心がける事が大切です。
とはいえ、「食事」はともかく日常のストレスはなかなか避ける事が難しいのが現実だったりします。
そういう時は、まず、腸内細菌が喜ぶ「食事」から心掛けることをお勧めします。腸内細菌が喜ぶような状態になることで、幸せホルモンであるセロトニンやドーパミンが沢山産生されるので、ちょっとしたことで、イライラすることも少なくなり、周りの嫌なことに対しても「まっ、良いか・・・」と受け流すことができるようになる・・・というような良い循環になると思います。
人間関係にお悩みの方も、目の前の関係性だけにとらわれることなく、日常の「食事」を見直すことで、「幸せな」関係に転換できるかもしれません・・・。
Posted by toyohiko at 21:20│Comments(0)
│身体のしくみ