2016年03月31日
便秘のメカニズムについて考える

下痢に続いて、便秘についても考えてみたいと思います。下痢も便秘も排便に関する代表的な症状の一つですが、「自覚症状」ということになりますと少々異なってきます。
下痢の場合は、軽度であっても多くの方が腹痛や頻繁な便意という形での自覚症状ということがあります。しかしながら便秘に関しては、本当にひどくなるまでは自身のQOLに関わるような自覚症状が無いことがほとんどです。
そのため、多くの場合「軽く見られがち・・・」になってしまうのが便秘の怖いところと言えるのでなないでしょうか・・・?
そのために、便秘であるという症状を自分自身で確認するということが同時に必要となってきます。
便秘の症状としては、「排便回数が少ない」「便が硬い」「排便後にすっきりしなかったり、お腹に張りや痛みを感じる」などがあります。このような症状についても、単に排便回数が少ないから便秘という訳でもないようで、「すっきり・・・」という、「排便時の残便感が無い・・・」ということが大きなポイントの一つのようです。
便秘原因には大きく二つに分かれており、慢性になりやすい「機能性便秘」と急性に起こるような「器質性便秘」になります。
まず、機能性便秘ですが、排便するための腹筋などの筋力や腸の蠕動(ぜんどう)運動がが弱くなっているために便が充分に押し出せない弛緩性便秘と呼ばれるものです、これは、高齢者を含め日本人に多いタイプの便秘といわれています。
二番目は、忙しかったりして「便意」を催した時に我慢をするなど「便意を無視する・・・」ということを繰り返すことによって直腸の反応が悪くなり便意を感じにくくなるという「直腸性便秘」です。
これは、朝に排便の習慣を保つための時間がとりにくいかたに多い症状で、特に女性に多いようです。
三番目は、精神的なストレスなどによって腸の活動が過剰になって便が通りにくくなる痙攣性便秘です。
これらの便秘は慢性化しやすいということがありますので、それぞれの原因をしっかりと見極めたうえ生活習慣から見直す必要があります。
もう1つは、腸閉そく、大腸ポリープさらに大腸がんなど・・・、腸に機能的な不全があることでおきてしまう「器質性便秘」がありますが、このような時は自己判断は命取りになる場合もあるので注意が必要です。
この場合は、便秘だけでなく細い便が日常的に出るというケースもこのような大腸疾患の場合もあるようなので注意をする必要があります。
便秘の怖さは、食べ物の残りカスも含めたものが腸内で長い時間留まってしまうことにあります。
当然、腸内腐敗と呼ばれる状態になりますので、いわゆる悪玉菌によって産生される、身体に悪影響を及ぼすような物質が、体内に充満したり、水溶性のものを中心に血液中に入り込み体中を掛けめぐることになります。
当然、肝臓や腎臓など体内の老廃物を代謝機能をつかさどる臓器にも負担がかかることになります。
「便秘」と「肌荒れ」の関係性について良くいわれるのは、腸内腐敗が進んでしまい体中に回ってしまった、老廃物も含めた悪い物質が皮膚の炎症という形で現れることにあるといわれているからです。
こうして考えると、便秘というものは思った以上に「怖いもの」です。
そのためにも、しっかりとした予防も大切です。これらの便秘のメカニズムと考えると、「しっかりとした排便習慣」「排便がスムーズに行えるための充分な筋力」そして、「腸内腐敗がすすまないように、良好な腸内フローラを保つために良い菌を食品から日常的に摂取する」ことなどが大切だと思います。
便秘は気付かない事が多い症状です・・・「すっきり」というキーワードを大切にし、便秘につながらない生活習慣をすることが大切です。
「便が硬めの方を対象とした乳酸菌シロタ株の飲用効果」
Posted by toyohiko at 09:20│Comments(0)
│身体のしくみ