2017年05月27日
胃の調子とお腹の調子

「胃が痛む・・・」のと「お腹が痛い・・・」のでは自覚症状も異なりますし、不調の原因のなるメカニズムも異なることは多くの皆さんがご存じの事と思いますが、「胃」の痛みを放置しておくことで「お腹」の・・・言い換えますと「腸の調子」が悪くなることがそうなのです。
特に、胃を切除した人の会であります「アルファ・クラブ」の調査によりますと、様々な事情があって、胃を切除した方の場合様々な後遺症が起こり易いと言われていますが、特に、便秘や下痢などの便通異常の症状を訴える人が多いことが分かっているそうです。
胃の機能としては、食べ物の消化という大きな役割がありますが、もう一つの重要な役割が胃酸による殺菌です。この二つの機能がバランス良く整っていることによって、食べたものが、腸で吸収し易く・・・且つ、危険な菌の殺菌された安全な状態で、次の工程である腸に送ることが出来るのです。
しかし、胃の調子が悪かっり、切除などの要因で胃の機能が十分でない場合においては、ほとんど消化されない食べ物が腸にそのまま入る事や、腸内に有害菌が入り易くなるという理由によって、腸内環境が悪くなってしまうことによって「排便に関する不調」という形で現われてくると事になります。
当然、胃の調子を整えて機能回復することも大切なのですが、腸内環境を整えることで、便秘や下痢などの排便の不調を改善するということも考えることが出来ると思います。
そんな中、胃を切除した方たちを対象に、乳酸菌の継続摂取と排便状況の変化に関する調査がありますので紹介します。
この調査は、胃を切除した134名を2つのグループに分けてL.カゼイ・シロタ株が400億個以上はいった飲料とプラセボを毎日1本4週間飲んでいただいた結果をアンケート形式でまとめたものですが、排便に関する不調が改善されたという結果が出た一方で、飲用後はプラセボのグループの方々との差が少なくなってきたという結果になりました。
今回の調査によって、同じ消化管である「胃」の不調が腸に影響が出てくることと、その不調を腸内環境の改善によって補うことができるということ示唆されたということになります。
身体にとって、栄養素を消化吸収するための消化器官の不調は、腸内環境を整えることで身体にとっての悪い影響を抑えることができるということであれば、継続的に腸内環境を整えるための食生活を意識することの大切さがあらためて解ったということにもつながるのかも知れません。
Posted by toyohiko at 20:39│Comments(0)
│身体のしくみ