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2017年06月24日

腸内フローラは、何故人によって違うのか?

腸内フローラは、何故人によって違うのか?


 「腸内フローラ」という言葉が多くの場面で聞かれるようになってきましたが、この数100種類数100兆個と言われる腸内フローラの構成は人によってそれぞれ異なり、ある意味「指紋」のように全く同じ出る人がほどんどいないということをご存じの方は少ないと思います。

 現在では、飲料を始めあらゆる食品に乳酸菌やビフィズス菌をはじめとする「善玉菌」を利用した食品が数多く流通されています。

 それらの食品を健康のために利用する人たちの立場からすると、「菌なんだから、お腹の中で増殖し続けていくんじゃないの・・・?」という思いを持ち方々も多いのでは思います。
 
 実際に、病原体としての多くの細菌性の感染症などの場合は、抗生物質などの抗菌のための処置をしないと菌が体内から出ていかないということなので、「増殖し続ける・・・」と多くの方が考えても不思議はありません。

 しかしながら、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌の場合でも、お腹の中で増殖し続けるようなことは無いとされています。

 その一番のメカニズムは、腸内の免疫システムによって行われているのです。

 一般的には、無菌の状態で生まれた赤ちゃんの消化管には、誕生後すぐにお母さんや環境由来の細菌が住み始め、その成長に伴い種類も増えて離乳時期に、その人それぞれの固有の腸内フローラが形成されて、生涯を通じで維持されると考えられています。

 乳幼児期の赤ちゃんが色々なものをすぐに口に入れてしまう行動は、多様性のある腸内フローラを形成するためのDNAに組み込まれたプラグラミング的行動のなのではと言われていることもありますので、乳幼児期の腸内フローラの形成が非常に大切だとも言われています。

 この時期に、いったん出来上がった腸内フローラは一度つくられると、そこに構成されない菌については、後で入ってきても排除されてしまうということになってしまうのです。
この現象は、コロナイゼーションレジスタンスと言われ病原性の微生物からの感染を防ぐための大切な免疫システムの一つなのです。

 そのために、「たとえ良い菌であっても、仲間には入れない」という菌同士のある意味の不文律みたいなものが働くことで、身体を守っているのです。

 そのために、腸内フローラが形成された後に今までにはない善玉菌を体内に取り入れても、腸のメカニズムの中で排除されてしまうということになるのです。

 特定保健用食品などの表示を良く見ると「良い菌をふやし、悪い菌を減らす」と言うような表記があると思いますが、「飲んだり食べたりする菌が増える」と言うような記述はほとんどありません。
実際に、人間が体内に取り入れた菌がどのくらい増えるかどうかということは、手術などの手段で消化管内を調べる方法しかないために現実性に乏しいのとともに、あまり良く分かっていないというのが現状だと言われています。

 しかしながら、良い菌を摂取した後の糞便などの調査結果からは、摂取した菌だけではなく、もともと腸内にいたと考えられる良い菌が増えていることは様々な実験の結果からも明らかになっています。

 現在のところ、良い腸内環境のためには、良い菌も排出されてしまうために摂り続けることが必要になってしますのです。

 それでも、あとから摂り続けることなく良い腸内環境にしたい場合は、お母さんの腸内環境を整えて最高の状態でプレゼントするか、腸内フローラが改正される前の出産直後の経口投与で一部のビフィズス菌が定着した事例も少ないですがあるそうです。

腸内フローラ・・・なかなか奥深いですね。




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Posted by toyohiko at 14:43│Comments(0)身体のしくみ
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