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2021年02月18日

ホルモンと睡眠の関係について考える

ホルモンと睡眠の関係について考える


 「職場に窓がある環境で働く人に比べて、職場に窓がない環境の人は、浴びる自然光の量が少ないだけでなく、1日当たりの平均睡眠時間が46分短かった」という調査結果が日中オフィスで働く人についての睡眠の質に関する研究での報告があったそうです。

 さらに、興味深いのは睡眠が短くなったことで病気の申告が増加し、モチベーションの低下も見られたというのです。

 私たちの身体は、体内時計によって最適なタイミングで様々なホルモンが分泌されるようコントロールされていると考えられています。

 午後10時に就寝し、6時に起きる習慣のある正常な体内時計のひとを例に挙げると・・・。

 06:00 起床 
 06:30 メラトニンの分泌が止まる
 07:30 腸の蠕動運動が活発になり、排便が起こりやすくなる
 10:00 注意力がもっとも高まる
 14:30 最も調和のとれた状態
 15:30 反応にかかる時間がもっとも短い
 17:00 心臓血管の機能と筋肉の強度が最高の状態
 19:00 体温がもっとも高い
 21:00 メラトニンの分泌が始まる
 22:00 就寝
 22:30 便通が抑制される
 23:00 成長ホルモンの分泌が最も活発になる

 というような流れになり、体感できるような差があるかどうかはともかく、このように消化器系、免疫系、循環器系、脂肪の利用率、食欲、気力などさまざまな調節を行っているそうなのです。

 The Model Health Showのクリエイターでもあるショーン・スティーブンソンは、著書「SLEEP」の中で、太陽の光が、日中に分泌されるべきホルモンや体内時計を調節する神経伝達物質の生成を促す力があるとしています。

 視神経や皮膚からの太陽光の刺激によって、体内時計の調節を行っていることは古くから知られている事ですが、快眠ホルモンであるメラトニンの原料とされるセロトニンの生成にも大きな関わりを持っているのです。

 私たちの目の視神経には脳の中心に情報を送る特別な光に関する受容体があり、その働きが「引き金」となってセロトニンが生成されます。
 したがって、自然光をあまり浴びないことでセロトニンの生成量が不足し、メラトニンの量も減ってしまうことになるのです。

 もちろん、セロトニンのおよそ95%は消化管内に存在するということになりますので、腸内環境も大切な要素になります
そして、先ほどのサイクルをご覧になってお分かりかと思いますが、消化器官自身も時間によって動きが変化するという事になれば、当然のことながら体内時計の影響を受けていると言えるわけで、「引き金」である太陽光と関係はないとは言えません。

 また、コルチゾールというホルモンの名前を聞いたことがありますでしょうか・・・?

 このホルモンは数多いホルモンの中で、ネガティブなホルモンと考えられています。その理由としては、ストレスが生じた時に分泌されるホルモンだからです。
 
 しかし、その一方でなくてはならないホルモンでもあります。

 例えば、眠りから起きて一日を元気にスタートするエネルギーや気力のもとになったり、集中力ややる気というものに関わる働きがあるとされています。

 つまり、コルチゾールは生体のリズムを日々管理するホルモンになりますので、必要な時に必要なだけあるのが一番いいという、なかなか厄介?なホルモンなのです。

 また、コルチゾールとメラトニンの量には、逆相関の関係にあるという興味深い報告があります。

 つまり、コルチゾールの分泌量が増えるとメラトニンの分泌量は減少し、メラトニンの量が増えることでコルチゾールが減少するというのです。このことは、ストレスがかかることでコルチゾールが多く分泌されるのであれば、結果的にメラトニンの量も減ってしまい、睡眠の質にも影響を与えてしまうため、両者の量をうまくコントロールしていく事が「良い睡眠」にもつながるという事になります。

 このことからも、ストレスと睡眠はコルチゾール、セロトニン、そしてメラトニンという三つのホルモンを通じて、切っても切れない密接な関係があるようですね。




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Posted by toyohiko at 11:36│Comments(0)身体のしくみ
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