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2020年05月15日

理想的な腸内環境をつくるには日和見菌を味方につけることが大切です(Ⅴ)

理想的な腸内環境をつくるには日和見菌を味方につけることが大切です(Ⅴ)


 食事をするときに「気にかけていること・・・」はありませんか。多くの方は、バランスの良い食事を意識し、カロリーの摂りすぎや食物繊維を多く摂るという事は意識してるかと思います。

 また、あまりにも「低カロリー」を意識しすぎることで合成甘味料などを多用してしまったり、カタカナのあまり聞いたことの無い成分が入っている事に対して不安を感じているかたも多いと思います。

 とはいえ、健康を気にし過ぎるあまりに、「食事が楽しくない・・・」というのは、皆さんいかがでしょうか。

 以前にも、ご紹介させていただきましたように腸内環境を整えるという点で考えても、食事そのものがストレスになるという事は、健康にとって決していいことではありません

 そのためにも、「おいしく食べる工夫」も大切になってきます。

 多くの方が、同じかと思いますが、「おいしい・・・」と感じる食品成分の多くは、脂肪と糖由来のもので出来ています。

 ゆえに、美味しさと健康に対するジレンマにつながってしまうのです。ここでは、「日和見菌を味方につける」という視点でこのジレンマへの解決にむけてのご提案をさせていただければと思っています。

 脂肪と糖の美味しさといえば、「旨味」と「甘味」です。このそれぞれをどのように工夫していくかということになるとおもいますが、脂肪と糖というのは、腸内細菌の立場からすると、全く違う栄養素になります。

 脂肪は、腸内ではいわゆる悪玉菌の喜ぶエサとしての役割となりますので、脂肪の摂り過ぎは、日和見菌が悪玉菌と同じ働きをする方向になってしまいます。
 脂肪も、なくてはならない栄養素の一つになりますので、「なるべく控える・・・」ために、日本食の一番の特徴とも言われる出汁を積極的に利用することで、他で旨味をしっかりつけるという工夫が多くの場面で勧められています。

 次に、糖ですが、ブドウ糖を始め多くの糖類は、小腸で吸収され血液を通じて全身を巡り、身体を機能させるための大切なエネルギー源となっています。しかし、恒常的な過剰摂取により、全身の慢性炎症を引き起こしたり、免疫の不全に繋がることも指摘されています。

 そのため、「美味しさとしての甘味」と「大腸まで届く」糖である、オリゴ糖を積極的に活用することがお勧めです。

 オリゴ糖のカロリー計算値は、多くの場合砂糖の約半分で計算することになっています。この根拠についても、「糖として吸収されない」という事を前提として、腸内細菌が代謝する短鎖脂肪酸や様々な酵素、ビタミン類が吸収された総カロリーとしての半分なのです。

 同じような、「甘さ半分」「低カロリー」というような食品によく利用されている合成甘味料とは、基本的な機能が異なっていると考えていただけると良いかと思います。

 確かに、現在食品に利用されている様々な化学合成の甘味料については、しかるべき機関が認可した上で、利用しているという事になりますのですぐさま健康被害につながるということにはならないという理解も必要かもしれませんが、化学的に合成されたという特性によって通常の消化のメカニズムに合わないという指摘もあり、腸管内の慢性炎症や腸漏れの一因としての可能性も完全に否定できるものではないという事もあり、不安を感じる方がいることも事実です。

 本来、オリゴ糖は食品成分の一つとして、通常の食品から摂取することができるものなのですが、食習慣も変化し、食物繊維がなかなか摂取できないということと同じように、工夫が必要なのかもしれません。

 最近では、様々なオリゴ糖が市販されていますので、砂糖の代わりに料理などに利用したり、飲料などの食品にも利用してみるのも良いかと思います。
 
 特に、食品の利用の場合は、量にもよりますがオリゴ糖を使うことで、従来利用していた砂糖やぶどう糖果糖液糖の使用が無くなったり、減っている事にも同時に注目していきたいところです。





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